ソニーは2月12日、ランニング向けデバイス「Smart B-Trainer」(SSE-BTR1)を発表した。ランニングトレーナー機能と音楽プレーヤー機能を持つ。発売は3月7日。本稿では、同日に開催された発表会の様子をレポートする。
同社の調査によると、過去1年以内にランニングを始めた人はランニング人口全体の約2割を占めているという。そういった初心者にとって、ランニングを継続するモチベーションを保つことと、正しいトレーニング方法を知ることは重要だ。
ランニング初心者からレース参加者まで対象のトレーニングメニュー
Smart B-Trainerは、ヘッドホン一体型のスポーツ用音楽プレーヤーに各種センサーを組み込んだデバイス。ランニングのパーソナルトレーナー機能では、ランニングログの記録とトレーニングのサポートをしてくれる。心拍計や加速度センサーなど6種類のセンサーが内蔵されており、走行距離や消費カロリーといった11種類の計測データを記録可能だ。
トレーニング中はSmart B-Trainerを単体で使用でき、スマートフォンなどを身につける必要はない。トレーニング後に、Smart B-Trainerに記録されたログデータをBluetooth経由でスマートフォンに転送することで、ログデータを確認できる。無料のスマートフォン用アプリ「Smart B-Trainer for Running」は、iPhoneやAndroid端末で使用可能だ。
Smart B-Trainer for Runningアプリは、ログを表示できるだけでなく、トレーニングメニューをユーザーに提供。メニューは大きく2つに分かれており、脂肪燃焼やタイム短縮などの目標を決めてトレーニングを行う「ベーシックメニュー」と、プロのランニングトレーナーが作った「プレミアムメニュー」を利用できる。
プレミアムメニューでは、ナイキのランニングアドバイザーである金哲彦氏が監修を行ったトレーニングプログラムと、アシックスのトレーニングプログラム「MY ASICS」が用意されている。金哲彦氏のトレーニングメニューは、初心者向けメニューからフルマラソンに参加するレベルのランナー向けメニューまでを、2015年夏までの間に追加していく予定だ。
トレーニングメニュー | リリース時期 |
---|---|
経験ゼロ→30分走れるようになりたい | 発売開始時 |
ダイエットしたい(屋外編) | |
より健康になりたい(屋外編) | |
30分→60分走れるようになりたい | |
キロ8分→6分ペースで走れるようになりたい | |
10キロレースを90分以内で走りたい | 2015年夏を予定 |
ハーフマラソンを3時間以内に走りたい | 2015年春を予定 |
制限時間以内にフルマラソンを完走したい | |
フルマラソンでサブ5(5時間以内)を目指したい | 2015年夏を予定 |
フルマラソンでサブ4(4時間以内)を目指したい | 2015年春を予定 |
MY ASICSプログラムは、個人のランニングスキルに合わせたトレーニングを行うというもの。AT(Anaerobic Threshold:無酸素性作業閾値)を中心に、距離とペースのバランスをとった練習を行う。アシックスによると、MY ASICSを利用したユーザーの約70%がランニング目標を達成しているとのことだ。なお、MY ASICSは2015年春頃から利用できる。
心拍に連動して自動で選曲&再生
Smart B-Trainerは16GBのメモリを内蔵しており、約3,990曲を保存可能だ。ランニング中にスマートフォンなどを身につけなくても音楽再生できる。さらに、Smart B-Trainer for Runningアプリで事前に自分の情報を登録しておくと、自動で「目標心拍数」を設定。Smart B-Trainerが走行中のランナーの状況をセンサーで検知し、目標心拍数に合わせて最適なテンポの楽曲を自動的に選曲する。このテンポに合わせてランニングすることで、効率的なトレーニングを行うことが可能だ。ユーザーは曲のテンポに合わせて走ることで、目標心拍数をキープできる。
「東京マラソンEXPO 2015」でSmart B-Trainerを試せる
ソニーは、ランナーが実際にSmart B-Trainerを装着して体感できる場所として、「東京マラソンEXPO 2015」にSmart B-Trainerを出展。東京マラソンEXPOは2015年2月19日から21日まで、東京ビッグサイトにて開催される。