サンディスクは1月28日、スマートフォン向けのUSBメモリー製品を日本市場に投入すると発表した。小誌では、来日した米SanDiskのリテール製品マーケティング担当バイスプレジデント ディネッシュ・バハール氏に話を伺う機会を得た。

―― 新製品を発表することになった背景を教えてください。

米SanDisk リテール製品マーケティング担当バイスプレジデント ディネッシュ・バハール氏

コンシューマー市場では写真や動画をモバイル機器(スマートデバイス)で記録するという動きがあります。実際に71%の写真がモバイル機器で撮影されている(※1)状況であり、2013年には、1日あたり14億枚もの写真がSNSにアップロードされているという調査結果(※2)もあります。

スマートフォンやタブレット端末など、ユーザーが所有するモバイルデバイスの中には大量の写真データが保管されています。これをバックアップする、あるいは家族や仲間と共有する場合、「コンテンツの転送」という要素が重要になってきます。

当社の調査結果では、82%のユーザーがコンテンツの転送を「とても重要」と考えており、主な理由として「安全または適切にバックアップしたい」「モバイル機器のメモリー不足を解消したい」ということを挙げています。その一方で、67%のユーザーがコンテンツの転送にストレスを感じているということがわかっています。

つまり、モバイル機器を利用するユーザーの多くは、このようなデータを素早く、そして簡単に転送できるデバイスを望んでいるというわけです。

※1: 出典 Worldwide Digital Image 2014-2018 Forecast: The Image Capture and Share Bible (IDC #246469, February 2014)。

※2: 出典 Tony Daytona, Business Insider Oct 2013; Cooper Smith, Business Insider, Nov 2013; Sandisk。

―― 今回発表された製品は、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

1つはiPhoneやiPadなど、iOS端末ユーザー向けの「サンディスクiXpand (アイ・エクスパンド) フラッシュドライブ」(以下、iXpand)です。一部小売店にて2月より先行販売を開始し、春頃には販売チャンネルをさらに拡大する予定です。

サンディスクiXpand (アイ・エクスパンド) フラッシュドライブ

この製品には2つのコネクタが装備されていることが大きな特徴となっています。1つは通常のPCでよく使われているUSBコネクタですが、これに加え、現在のiOS機器で使われているLightningコネクタが付いており、iOS 7.1以降が搭載されたiPhone/iPadに対応しています。

主な機能はユーザーが撮影した写真や動画をiXpandにバックアップするといったシンプルなものです。ファイル単位でのコピーだけではなく、一括バックアップも可能です。また、自動バックアップ機能も備わっているので、この機能を有効にしておくと、iXpandを接続して通信許可をタップするだけで、撮影された写真がiXpandに保存されるため、簡単で確実、そして素早いバックアップ作業を実現することができます。

また、他のデバイスやPCからコンテンツを受け取り、自身の端末で再生するといったケースがあると思いますが、iOSでは再生できるファイルの種類に制限があります。iXpand付属のアプリを使えば、標準的なAVI/WMV/MKVなど、一般的に普及しているフォーマットでありながらも、iOSでは再生できない動画ファイルをそのまま再生できます。

iXpandは暗号化機能も備えていますので、バックアップしたファイルは、パスワードがなければ閲覧できないため、紛失リスクを考慮する必要があるビジネスユースでのニーズにも対応できるでしょう。なお、iXpandの暗号化ツールはWindows(XP以降)/Macintosh(MacOS 10.5以降)にも対応しています。

もう1つは、Android端末向けの製品「サンディスク ウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0」(以下、ウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0)で、こちらは今年の4月から発売開始予定です。OTG(On the Go)対応のAndroidに本製品を接続すると、記憶領域として認識されるようになります。

サンディスク ウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0

ウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0には、通常のUSBコネクタに加えてMicro USBコネクタが用意されているので、変換ケーブルなどを使わずに、そのままAndroid端末への接続が可能です。また、ファイル管理を効率化する「サンディスク メモリーゾーン」アプリをGoogle Playマーケットで無償提供しています。

従来製品からの強化点として、PC側がUSB 3.0に対応しより高速の転送が可能となったこと、Micro USB側が通常のコネクタよりも長くなったことで、厚いケースの上からでも取り付けが容易になっているということがあります。

容量のラインアップとしては、iXpandもウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0も、それぞれ16/32/64GBが用意されています。