説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「プッシュ通知を減らせばデータ通信量を節約できますか?」という質問に答えます。

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アプリ開発元からタイムリーに送信されてくる「プッシュ通知」。ニュース系コンテンツの新着情報のほか、オンラインストアのセール情報、FacebookやTwitterといったSNSからのお知らせなど、さまざまな情報をほぼリアルタイムに知らせてくれます。こちらから情報の有無をチェックする必要がないぶん、ムダにアプリを起動することもなくなります。

プッシュ通知はデータ通信網経由で送られてくるため、無線LANを使えないときにはパケット料金が発生します。定額契約を結んでいれば、あまり気にする必要はありませんが、少しでも節約したい場合には気がかりかもしれません。確かに、プッシュ通知対応のアプリが多数インストールされている場合には、数分間隔で通知を受けることは珍しくありませんから、その回数を減らせばパケット料金の節約になるような気がします。

しかし、その心配はありません。プッシュ通知は1回あたり最長256バイト、テキストを格納しておけるのはそのうち約200バイトですから、たかが知れています。それを使い切る必要はありませんから、平均すると200バイト以下になることでしょう。仮に200バイトのプッシュ通知が1日300件届くとしても、1日あたり0.06メガバイト、30日間累計でも1.72メガバイトです。

この1.72メガバイトという数値は、データをふんだんに使うiPhoneにとってわずかなものです。画像を含むWEBサイトを1、2件閲覧すれば、瞬く間に超えてしまうことでしょう。だから、プッシュ通知を減らしてもデータ通信量削減に貢献することはほとんどないといえます。むしろ問題は件数が多すぎる場合で、自分にとってあまり重要でない情報を発信するアプリについては、プッシュ通知の表示方法を見直すことのほうがより重要といえるでしょう。

プッシュ通知の件数を減らしても、データ通信量削減にはほとんど効果がありません。むしろ、多すぎる通知件数を見直すことのほうが重要です