最新規格"DDR4"対応メモリをデュアルチャネルで搭載
取り外した各パーツを個別に確認していこう。メモリスロットに取り付けられているのは、ADATA製のDDR4-2133だ。X99 Expressはクアッドチャネル動作にまで対応しているが、試用機に搭載されていたのは8GBが2枚、計16GBのデュアルチャネルだった。実際の体感速度で差が出るケースは珍しいかもしれないが、ベンチマークの結果には違いが現れそうだ。ストレージは、2TBのHDD1台となり、Seagateの製品が採用されている。ほかのパーツの性能を活かすなら、ぜひSSDの追加を検討したい。
|
|
ADATA製のDDR4-2133を2枚搭載。1枚当たりの容量は8GBとなり、計16GBをデュアルチャネル動作としている。メモリを追加すればクアッドチャネル動作も可能だ |
標準構成でのストレージは2TBのHDDが1台。ほかのパーツが高速なだけに、ストレージのみ若干物足りない印象を受ける。可能であればBTOカスタマイズでSSDの追加を検討しよう |
グラフィックスカードは、AMDのアッパーミドルモデルとなるRadeon R9 285。ミドルレンジの定番であるNVIDIA GeForce GTX 760と、同程度の価格と消費電力ながら、GTX 760の上位モデルであるNVIDIA GeForce GTX 770に迫る処理能力を持った、コストパフォーマンスに優れた製品だ。電源ユニットには、数々の有名メーカーへのOEMでも有名なAcBel製を採用。容量は消費電力の大きいハイエンドプラットフォームにも対応可能な700Wとなっており、パーツの追加を行っても余裕があるだろう。
|
|
AMD Radeon R9 285をグラフィックスカードとして搭載している。独特の形状を持ったデュアルファンが、GPUの熱を効率よく冷やしてくれるだろう |
電源ユニットはAcBel製を採用しており、定格700Wと容量には余裕がある。また電源効率の指針である"80PLUS BRONZE"の認定を取得しており、省電力効果も高い |
ベンチマークでMDV-RX9520Sの実力を確認
それでは、ベンチマークテストなどでMDV-RX9520Sの性能を検証していこう。始めにWindowsシステム評価ツール「WinSAT」にて、Windowsエクスペリエンス インデックス スコアを確認。プロセッサのスコアは8.7と、すこぶる優秀な結果だ。またRadeon R9 285によるグラフィックスの数値も8.5と高い。ストレージはHDDであることがわかる5.9というスコアとなっている。「CrystalDiskMark」の結果では、HDDとしてはなかなかの速度を見せているものの、HDDの域を出ることはできないため、SSDの速度を体感した方にとっては物足りないかもしれない。一般家庭でのPC用途における性能を測る「PCMark 8」Home acceleratedでの結果はといえば、十分いいスコアではあるものの、高クロックなHaswell Refreshには及ばないといった数値だ。マルチコアやメモリアクセス速度があまり活かされないアプリケーションでは、6コア/12スレッドの効果は薄いのかもしれない。
| Windowsエクスペリエンス インデックス スコア | |
|---|---|
| プロセッサ | 8.7 |
| メモリ | 8.7 |
| グラフィックス | 8.5 |
| ゲーム用グラフィックス | 8.5 |
| プライマリディスク | 5.9 |
| PCMark8 Home accelerated 3.0 | |
|---|---|
| Your Home accelerated 3.0 Score | 4188 |
| Web Browsing - JunglePin | 0.308 s |
| Web Browsing - Amazonia | 0.124 s |
| Writing | 4.99 s |
| Photo Editing v2 | 0.252 s |
| Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 | 30.0 fps |
| Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 | 34.0 ms |
| Casual Gaming | 91.9 fps |
| Benchmark duration | 39min 12s |
CPUとメモリの性能をベンチマークから見る
続いてCPUとメモリの性能を確認してみよう。まずはマルチコア・マルチスレッドの効果がはっきりとわかる「CINEBENCH R15」で、CPUの性能を検証した。シングルコアあたりの性能はそこそこだが、マルチコアでは非常に効率のいい動作が行えており、最終的なスコアも優秀。メモリをクアッドチャネルにすれば、そのスコアはさらに伸びそうだ。やはり、マルチコアを活用できるソフトでこそ、"Haswell-E"の性能は輝くのだろう。またメモリの帯域を「SANDRA 2014」でテストした結果を見てみると、DDR3-1600をデュアルチャネルで搭載するシステムに比べると確実に速いものの、ポテンシャルが活かしきれていないようにも思える。使用するソフトがメモリの帯域の影響が大きいものならば、BTOカスタマイズでメモリを4枚に増設し、クアッドチャネルで動作させるほうが真価を発揮できそうだ。
| SiSoftware SANDRA 2014 メモリの帯域 | |
|---|---|
| 整数メモリ帯域(GB/秒) | 26.521 |
| 浮動小数点メモリ帯域(GB/秒) | 26.594 |
あわせて、実際に動画ファイルをエンコードして、その時間を計測してみたのでお伝えしておこう。用意した動画は1440×1080のTSファイルで、時間は5分42秒、容量は542MB。こちらを「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を利用して1920×1080、1280×720のMP4ファイルに変換した際にかかった時間は、下記の通り。マルチコア・マルチスレッドが本領を発揮できるエンコード作業において、その処理能力は強力だ。動画や音声の編集、写真の現像などの用途では大いに活躍してくれることだろう。
| 「TMPGEnc Video Mastering Works 5」動画エンコード時間 | |
|---|---|
| 1440×1080(TS)→1920×1080(MP4) | 8分35秒 |
| 1440×1080(TS)→1280×720(MP4) | 7分00秒 |
3Dグラフィックスの処理能力やいかに?
次に、3Dグラフィックス処理能力を確認しよう。まずはFuturemarkの定番3Dグラフィックス向けベンチマークである「3DMARK」だが、AMD Radeon R9 285の性能が活かされた確かなスコアが見て取れる。注目はPhysics Scoreとなり、Haswell Refreshを搭載したシステムと比べても高い数値だ。続いて国産の人気オンラインゲームのベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」を試しておこう。こちらの数値はグラフィックスカードの性能がほぼそのまま反映されていると見ていいだろう。2560×1440の最高品質でもスコアは7000超え、評価は"非常に快適"と、Radeon R9 285の性能の高さがわかる結果となった。
| Futuremark 3DMARK | |||
|---|---|---|---|
| 項目 | Fire Strike1.1 | Fire Strike Extreme1.1 |
Fire Strike Ultra1.1 |
| 3DMark Score | 7025 | 3501 | 1515 |
| Graphics Score | 7819 | 3614 | 1451 |
| Physics Score | 13125 | 13114 | 13238 |
| Combined Score | 2858 | 1500 | 760 |
| Graphics Test 1 | 37.07 fps | 17.93 fps | 9.10 fps |
| Graphics Test 2 | 31.39 fps | 13.99 fps | 4.83 fps |
| Physics Test | 41.67 fps | 41.63 fps | 42.03 fps |
| Combined Test | 13.30 fps | 6.98 fps | 3.54 fps |
| ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 | ||
|---|---|---|
| 設定 | スコア | 評価 |
| 1280×720【最高品質】 | 15908 | 非常に快適 |
| 1920×1080【最高品質】 | 10316 | 非常に快適 |
| 2560×1440【最高品質】 | 7064 | 非常に快適 |
最後に、消費電力について触れておこう。6コア/12スレッドにしてTDP 140WのCPUと、パフォーマンスの高いグラフィックスカードを搭載している割にはしっかりと抑えられている。本機は700W電源を搭載しているため、追加できるデバイスにはかなり余裕があると見ていいだろう。Windows 8.1のアイドル時の消費電力は64W、3DMARK実行時でも240Wとなっており、AMD Radeon R9 285の省電力機能がしっかりと効いていることを確認できる。
| 消費電力の調査結果 | |
|---|---|
| 最低【Windows 8.1 アイドル時】 | 64W |
| 最高【3DMARK実行時】 | 240W |
15万円台(税別)で6コアCPUを搭載したハイエンド環境が手に入る!
ここまでのテストで確認した通り、6コア/12スレッドのCore i7-5820Kがマルチスレッドを活かせるアプリケーションで見せる性能は、メインストリームのCPUでは体験できないものだ。これだけのハイエンド環境となると価格が気になるところだが、実は15万円台(税別)と、Core i7-4790を搭載したシステムにちょっと予算を足せば手が届いてしまう。ただしゲームなどでは、4コアでも動作クロックの高いCore i7-4790などのほうが高い処理能力を発揮することもあるので、選択はなかなか難しい。とはいえCPUの動作クロックが頭打ちとなっている現状を踏まえれば、今後マルチコアへの対応は急速に進むと見て間違いない。エンコードなどでマルチコアを活かした処理をする方や、最新かつ最高のプラットフォームを用意しておきたいユーザーは、ぜひ「MDV-RX9520S」を検討してみてほしい。X79 Express環境がそうであったように、長期に渡って高い性能を維持したまま使い続けることができるだろう。
※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。
標準スペック
| メーカー | マウスコンピューター |
|---|---|
| 型番 | MDV-RX9520S |
| CPU | インテル Core i7-5820K |
| メモリ | 16GB PC4-17000 DDR4 |
| HDD | 2TB SerialATAIII |
| チップセット | インテル X99 Express |
| 光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
| グラフィックス | AMD Radeon R9 285 |
| OS | Windows 8.1 Update 64ビット |
| LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
| インタフェース | USB 3.0×10(前面×2、背面×8)、USB 2.0×2(背面×2) |
| サイズ | W190×D490×H410mm |
| ディスプレイ | - |
| 価格 | 159,800円(税別) |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2014/11/26(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
