日立ハイテクノロジーズは11月26日、ヘッドセットとスマートフォンで、簡単に前額部の血流変化をリアルタイムに計測することができる携帯型脳活動計測装置の試作機を開発したと発表した。

近年、スマートフォンをはじめとするウェアラブル端末で脈拍や視線の動きなどを簡単に計測できる技術開発が進んでいる。一方、脳活動を計測しその結果を活用する分野は、脳科学だけでなく、認知科学や心理学、教育などに広がっており、より日常生活に近い環境における計測のニーズが高まっている。

今回開発した試作機は、同社の脳科学産業応用事業の最新成果で、近赤外光を使って前額部の2点を計測するヘッドセットと、計測結果を表示するスマートフォン(Android OS)のアプリケーションで構成されている。ヘッドセットは計測した信号を処理する主要回路を搭載しながら、重量が約100gと軽量であると同時に、これまで以上にウェアラブルなスタイルで携帯性を向上させている。また、計測した信号はスマートフォンのアプリケーションにリアルタイムで表示され、時間や場所を選ばずに脳活動を可視化できるとしている。

なお、同社では、認知トレーニングや学習など、幅広い分野における同技術の活用に向けて、大学・研究機関の協力を得ながらさまざまな検証を進め、2016年の製品化を目指していくとコメントしている。

携帯型脳活動計測装置の試作機