条件を満たせば米国外からも使えるかも

おそらくだが、ユーザーが対応金融機関が発行したクレジット/デビットカードを所持さえしていれば、MasterCardのPayPassやVisaのpayWaveといったNFCベースの決済ターミナルを使い、Apple Payでの決済が(基本的には)そのまま可能だと考える。

「Apple Payの取引を意図的にブロックする」といった行為を行わない場合、システムの最低限の検証と対応さえ行えれば、全米規模でApple Payを使うこともそう難しくないと考える(もちろん相性などの問題もあるが……)。これは米国内外で違いはなく、決済ネットワーク側さえ対応が進んでいれば、Apple Pay対応をうたっていない小売店でも決済が可能だろう。

上記報告でもわかるように、Apple Payの利用にあたって必ずしも米国内の端末のみがサービス対象ではないようだ。米国外の端末にApple Pay決済に使うカードを登録して、実際に決済利用が可能になる。BGRが報告しているが、これには多少トリックが必要で、「ロケーションが"米国"」「登録するカードが(Apple Pay対応をうたう)米国発行のクレジット/デビットカード」という2つの条件を満たさなければならない。

逆にこれさえ満たしていれば、米国外で購入して現地キャリアのSIMが刺さった端末で、言語設定が英語でなくてもApple Payは利用できる。米国現地で日本語設定でも利用できたという報告があり、問題は地域設定とクレジットカード発行国の2つだけに絞られると考えていいようだ。

Apple Payについては欧州ローンチの噂もあるが、法令や現地銀行やキャリアの対応の問題さえクリアすれば、そう遠くないうちにサービスインすることも可能かもしれない。同様に中国を含むアジア圏、そしてNFCリーダーが都市部で普及しているオーストラリアなども、やはりローンチ対象となる可能性がある。Apple Payさえセットアップできれば、海外での買い物が簡単になるだけでなく、ロンドンで地下鉄やバスにiPhoneをタッチして乗車……といった世界もそう遠くないうちに実現するのだろう。