iPhone 6/6 Plusが発売されてから約1カ月が経過する10月23日、ネオマーケティングではiPhone 6/6 Plus利用者を対象に実施した満足度調査の結果を公表した。それによれば総合満足度ではauのiPhone 6/6 Plusが1位を獲得したという。質問事項の35項目中、31項目でトップを獲得。特にLTE通信関連項目で高く評価されていることが分かった。

本調査の結果は、ネオマーケティングの実施したWebアンケートによるもの。iPhone 6/6 Plusを使っている全国の15歳以上の男女600人(NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル利用者各200名ずつ)から有効回答を得た。調査実施期間は2014年10月2日から10月8日までとなっている。

購入理由、キャリアの選択理由

はじめにiPhone 6/6 Plusを購入した600名に対し、どのような理由で購入したのか聞いたところ、最も多い回答は「大画面化」で44.7%となった。次いで「電池の持ち」(29.0%)、「高速CPU」(28.3%)が続いた。前モデルである「iPhone 5s/5c」は画面サイズが4.0インチだったが、「iPhone 6」は4.7インチ、「iPhone 6 Plus」は5.5インチと大画面化したことが大きな話題となった。その大画面に惹かれて購入した、というユーザーが多かったようだ。

iPhone 6/6 Plusの購入理由

購入時のキャリアの選択理由における全体的な傾向としては、LTEの広さや日常でのつながりやすさ、途切れにくさなどLTEに関する項目の関心が高く、特にau利用者はキャリアを選ぶ理由としてLTE関連項目を重視していることが分かった。購入理由で全体3位だった「下取りキャンペーン」については、ソフトバンク利用者は33.5%、au利用者は27.5%と選択理由として高く選択されている一方で、ドコモ利用者は2.5%と際立って低い結果となっている。

iPhone 6/6 Plus購入時のキャリアの選択理由

iPhone 6/6 Plusユーザー600名に対し、購入後におけるキャリアの総合満足度を聞いたところ、3社とも9割の利用者が満足していることが分かった。「大変満足している」「満足している」「やや満足している」と回答した利用者はauが最も多く、総合満足度が合計95.0%に達した。

キャリア別 iPhone 6/ 6 Plusの総合満足度

総合的に満足度が高いのはau

「総合満足度」「通話品質の満足度」「通信品質の満足度」「機能の満足度」「キャリアの満足度」のそれぞれ35項目について聞いたところ「満足」「やや満足」の合計は次のようになった。

キャリア別に聞いた、通話品質の満足度(左)と、通信品質の満足度(右)

キャリア別に聞いた、機能の満足度(左)と、キャリアの満足度(右)

au利用者は「プラチナバンドLTEへの対応」(92.5%)、「混雑地帯(人が混み合う場所)での安定した通信」(91.5%)、「次世代通信技術に対応していること(予定であること)」(90.5%)などLTE通信関連の項目において満足度の高い結果。また通信に関連した項目だけではなく、「アフターサービス・サポート」(87.5%)、「月々の料金プラン」(75.0%)、「旧料金プランが選べる」(81.0%)、「動画サービスなどのコンテンツ」(89.5%)など周辺サービスでも高い評価を得た。

全35項目中31項目でauが1位

このほか同調査では、各項目でどのキャリアの満足度が高いかまとめている。結果としては全35項目中31項目と全般的にauの満足度が高かった。ドコモは、35項目中6項目で満足度が高く、「携帯キャリアとしての信頼性」(93.0%)、「LTE通信エリアの広さ(LTEが入らない場所の少なさ)」(93.5%)、「Wi-Fiサービス」(85.5%)などで1位を獲得。ソフトバンクは1位を獲得した項目がなかったものの、「SNS利用」「メール利用」などで他社と肉薄した。なお「携帯キャリアとしての総合的な魅力」(91.5%)、通信品質の「エリアの広さ」(93.5%)の2項目ではドコモとauが同率で1位となっている。

各項目の満足度をまとめた表

端末そのものの満足度を聞いたところ、満足度が最も高い項目は「画面解像度」で合計93.2%の利用者が満足している結果となった。次いで「端末の薄さ」(91.8%)、「カメラ機能」(91.5%)、「大画面化」(91.0%)の順で高い満足度が得られていることが分かった。

iPhone 6/6 Plus端末の満足度

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本稿でお伝えしてきた通り、ネオマーケティングの調査ではau利用者のiPhoneの満足度が最も高かった。LTE通信のつながりやすさ、速さ、プラチナバンドLTEへの対応など、LTEネットワークに関する項目でいずれも利用者からの満足度は高く、アフターサービス・サポート、動画サービスなどのコンテンツなども評価を得ていることが分かった。

特に「混雑地帯(人が混み合う場所)での安定した通信」についてはauの91.5%に対してドコモは86.5%、ソフトバンクは80.5%、「次世代通信技術に対応していること」についてはauの90.5%に対してドコモは79.5%、ソフトバンクは81.0%と、いずれもauが5ポイント以上の差をつけている。これはKDDI(au)が先行して導入してきた、速くて安定している通信をうたうCA(キャリアアグリゲーション)および、WiMAX2+といった次世代通信技術の開発による通信ネットワークの整備が、利用者の満足度の数値にあらわれたものと言えるだろう。

大手3キャリアがiPhoneを取り扱うようになってから1年が経つ。同じ端末を提供する以上、今後は通信ネットワークやサービスの品質でキャリア間の人気に差が出てくることが予想される。本調査の結果を見る限りでは、KDDI(au)の施策が他社を一歩リードしているようだ。今後のキャリア間の競争に、引き続き注目したい。

(執筆:大石はるか)