国内主要3キャリアが9月19日より販売を開始した「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」。各社それぞれ、独自の料金プランや通信速度やつながりやすさなどのネットワーク環境をアピールしている。そんな中、MMD研究所が9月26日に、国内主要3キャリアの「iPhone 6」の通信速度を調査した結果を公表した。

それによると、下り平均スピードが最も速かったのはソフトバンク版iPhone 6だったという。本稿では、その理由について考察してみたい。

20都市125カ所におけるiPhone 6の通信スピードの比較

同調査は2014年9月20日から24日までの期間に、札幌、盛岡、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、金沢、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、高松、福岡、熊本、那覇の20都市125カ所で実施したもの。結果は以下の通りとなっている。

最速はソフトバンク版iPhone 6に

下り平均スピードが最も速かったのはソフトバンク版で37.03Mbps。次いでau版が35.3Mbps、ドコモ版が27.07Mbpsという結果だった。上り平均スピードにおいても、最速はソフトバンク版で12.25Mbps。次いでドコモ版が11.62Mbps、au版が7.60Mbpsとなっている。

加えて、下り平均スピードが30Mbps以上だった調査スポット数でもソフトバンク版が最多で89カ所(71.2%)。次いでau版が78カ所(62.4%)、ドコモ版が46カ所(36.8%)となった。

ダウンロード平均スピードの分布

今回の調査では、2013年9月の「iPhone 5c」を使用した速度調査と比べて、全体的に平均スピードが10Mbps以上も向上したことが分かったという。その中でも、ソフトバンクのネットワークが強かった。

この調査結果については、マイナビニュースの別稿でも紹介しているので、本稿ではソフトバンク好調の理由について考えてみたい。

まず大きな理由として考えられるのは、ソフトバンクが展開しているAXGPの「SoftBank 4G」にiPhone 6が対応したことだ。ソフトバンクではこれまで、iPhoneの従来機種においてFDD-LTEの通信形式による「SoftBank 4G LTE」を提供してきた。iPhone 6では、このFDD-LTEに加えて新たにTD-LTEにも対応した。これにより、上記のSoftBank 4Gが利用可能になった。加えて、同社がこれまでAndroid端末を対象に展開していた、「SoftBank 4G LTE」と「SoftBank 4G」の両方に対応する「Hybrid 4G LTE」をiPhoneでも利用できるようにしている。これにより4つの2.1GHz、1.7GHz、900MHz、2.5GHz周波数帯(NTTドコモ、KDDIは3つの周波数帯)を利用した、112.5Mbpsと110Mbpsの2つの安定したネットワーク環境が構築されている。これら取り組みが、今回の調査結果に結びついていると考えられえる。

また、今回の調査スポットに選ばれたのは、各都道府県における主要都市の駅やランドマーク、役所、大学、商業施設、スタジアムなど人の多く集まるところ。ソフトバンクではそうした人が混雑する場所でも快適に通信が行えるように、スマートフォンユーザーから月間18億件(2014年5月現在)の通信ログを集めて電波の改善に活用しているという。こうした「つながりやすさ」への取り組みも、好影響を与えた理由のひとつとして考えられるだろう。

同じ仕様のiPhone 6がNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社から提供されていることで、そのネットワークの優劣について注目が集まっている。今後、競争はさらに加熱していきそうな気配だ。いち消費者としては、それにより国内のネットワーク環境がさらに改善してくれればと期待している。今後とも、各社の取り組みに注目していきたい。

(執筆:大石はるか)