新DSP技術「AudioEngine」をチェック

本機には、テレビチューナーが全部で5基搭載されている。そのうち1基は視聴専用の「ぱっと観テレビ」用になっており、同時録画は最大4番組まで行うことができる。これだけあれば観たい番組が同じ時間帯に複数重なっても録り逃すことはまずないだろう。

「ぱっと観テレビ」は本体上部にある「テレビ」ボタンを押すとパソコンが起動していなくても約2秒でテレビを楽しめるという機能。OSやテレビ視聴アプリの起動を待つ必要がないため、「今すぐニュースをチェックしたい」、「ドラマがもうすぐ始まってしまう」という場合でも肝心のシーンを見逃さなくてすむのがありがたい。

本体上部にある「テレビ」ボタンを押すと、パソコンが起動していなくても約2秒でテレビ視聴が可能になる

ディスプレイ下部には磁性流体フルレンジスピーカとウーファによる2wayスピーカーが搭載されている

テレビを楽しむ際にうれしいのが、本機に搭載された磁性流体フルレンジスピーカーとウーファによる本格的な2wayスピーカーだ。振動板の動きを従来より的確に抑制できる構造を採用しており、音の歪みやノイズがきわめて少ないのが特長となる。

また、冒頭でも述べたが、ヤマハの音響設計ノウハウを生かしたDSP技術「AudioEngine」も新たに搭載している。これは、シーンに合わせて音質を自動的に補正し、より聴きやすく臨場感ある音を再生する技術。「Music」、「TV」、「Cinema」、「Live」、「Sports」の5つのプリセットが用意されており、サラウンドや人の声、音量レベルなどをそれぞれのシーンに最適な状態に自動調整してくれる。

Realtek HD オーディオマネージャの「スピーカー」に「Yamaha」タブがあり、そこに「AudioEngine」の5つのプリセットが用意されている

例えば、テレビを視聴する場合はCMに切り替わる際の音量変化を自動的に抑えてくれ、ライブ映像の場合は音の立体感を強化し、まるでその場にいるような臨場感を味わわせてくれる。

実際にテレビや映画、音楽などを視聴して従来モデル(VALUESTAR Nの2012年夏モデル)と比較してみたが、一聴して分かるほど音の厚みや聴きやすさが向上していた。特にライブ映像再生時に同機能の「Live」をオンにすると、音の立体感や奥行きに驚くほどの変化があり、目を閉じると会場にいるんじゃないかと錯覚するほどだ。