東芝は7月9日、人体に貼り付けて、心電位や脈波、体動、皮膚温を測定する生体センサ「Silmee Bar type」を発表した。大学や研究機関、企業向けに9月より国内販売を開始する。

同製品は、ゲルパッドで胸部に貼りつけることで、心電位や脈波、体動、皮膚温といった生体情報を同時に連続計測できる防水小型のウェアラブル生体センサである。計測したデータを元に、心拍間隔、脈波間隔、体動量、姿勢を算出し、Bluetooth通信を介してスマートフォンやタブレットに結果を表示できる。また、東芝では、制御・通信を行うインタフェース仕様「Silmee API」をパートナーに提供し、多様な応用システムサービスの開発をサポートしてヘルスケア分野のオープンイノベーションを推進する。

同製品の活用事例としては、睡眠の質の解析が挙げられる。現状、睡眠の質を解析するためには、頭部や体に多数の電極を貼りつけて一晩眠りながら、脳波や呼吸、体動、眼球などを計測する大規模な検査が必要となる。同製品は、胸部に1つ貼りつけるだけで、心拍間隔、脈波間隔の変動データを元に自律神経解析ができるのに加え、その結果に基づき睡眠の質、リズムなどの解析ができる。

その他にも、ヘルスケアのさまざまな用途で活用できる可能性を有している。今後、大学や研究機関、企業などにおいて活用され、人々の健康管理や予後・介護における見守り支援をはじめ、さまざまな実証実験・研究が進むことを期待しているという。さらに、同製品がテレヘルス(遠隔医療)時代に向けたキーデバイスとなることを目指すとコメントしている。

貼り付け型ウェアラブル生体センサ「Silmee Bar type」

「Silmee Bar type」の使用例