電子書籍市場が拡大し電子書籍のユーザー数が増加している現在、電子書籍ストアやプラットフォーム間の競争がますます激しくなっている。そんな中、6月30日に電子書籍の大手ストアBookLiveを運営するBookLiveとTSUTAYAでおなじみのカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)が、総合書籍の新プラットフォームを作るべく戦略的パートナーシップを結ぶことで基本合意に達したと発表した。はたして、BookLiveとCCCが目指す新プラットフォームとは?

BookLiveの淡野正代表取締役社長とCCCの中西一雄TSUTAYAカンパニー副社長

紙の書籍し電子書籍をシームレスにつなぐサービス

国内最大級の電子書籍ストアのBookLiveと国内最大の書店チェーンTSUTAYAを擁するCCCが組んで提供を予定しているプラットフォームの内容は大きく分けて「購入した紙の書籍を電子書籍でも便利に楽しめる」「TSUTAYAのインフラの活用」2つで、今回の提携、BookLiveおよびTSUTAYAで様々なサービスを提供していくという。

例えば、「AirBook」というサービスではTSUTAYAで本を買う時にTカードを提示すると購入した本の電子版が無料または値引き価格にてBookLiveで読めるようになるというもの。また、TSUTAYAで本を注文すると本が手元に届くまでの間、無料で電子版を読むことができる「FastRead」サービスや、TSUTAYA店頭の検索機で探した本を電子書籍として購入できるサービスも予定されている。

本を買うことでデジタル端末でも楽しめるようになるのはもちろん、本探しや購入時の不便を解消するサービスを提供することで、紙の書籍と電子書籍をシームレスに楽しめるようになっているのがポイントだ。さらに、BookLiveで購入した電子書籍とTSUTAYAで購入した紙の書籍のデータを端末に収納して一元的に管理できるよう「共通本棚」サービスも提供予定だという。

「AirBook」ではTカードをレジに提示して紙の書籍を購入すると、すぐに電子版が端末で読めるようになる

TSUTAYAで購入した紙の書籍とBookLiveで購入した書籍を1カ所で管理できる「共通本棚」