2014年5月、インテルから新CPU"Haswell Refresh"が発売された。リフレッシュという名称通り、前世代の"Haswell"のアーキテクチャを踏襲し、細かい点をブラッシュアップしたものだ。マウスコンピューターでも、早速、多くのPCで採用しており、デスクトップPCの主力となる「LUV MACHINES」シリーズのラインナップも一新されている。

ラインナップが一新されたマウスコンピューターのデスクトップPC

「LUV MACHINES」シリーズは、拡張性と省スペース性のバランスが良く、導入しやすいミニタワー型のPCだ。今回はこれに"Haswell Refresh"の最上位となるインテル Core i7-4790を搭載した、「LM-iH310X2」をお借りすることができた。CPU内蔵グラフィックスを利用し、ストレージにはHDDを搭載したシンプルなモデルで、価格も7万円台からとコストパフォーマンスに優れた製品だ。BTOによるカスタマイズのポイントなども踏まえ、本機の特徴を確認してみよう。

「LUV MACHINES」シリーズのミニタワー型PC「LM-iH310X2」

インテル 9シリーズ・チップセットにCore i7-4790を搭載

LM-iH310X2は、"Haswell Refresh"に合わせて登場したインテル 9シリーズ・チップセット「H97 Express」を搭載した、Micro-ATXサイズのデスクトップPCだ。CPUにはインテル Core i7-4790を採用しており、その動作クロックは定格で3.6GHz。負荷に応じて自動で動作クロックを上昇させる、ターボ・ブースト機能利用時の最大クロックは、ついに4.0GHzに達した。また9シリーズチップセットとの組み合わせで、わずかながらも消費電力が低下しているといわれ、ワットパフォーマンスにも期待が持てそうだ。

マザーボードには最新のインテル H97 Expressを採用しており、Haswell Refreshを有効に活用できる

映像出力端子としてDVI-DやVGAのほか、DisplayPortを備える。USB 3.0端子も豊富だ

ミドルタワーケースほど背が高くなく、スリムタワーとは違い通常サイズの拡張カードを挿入できるミニタワーケースは、多くのユーザーにとって使いやすいサイズといえる。前面パネルは光沢のあるプラスチック製のカバーで覆われ、光学ドライブや端子類にはすべて開閉式のカバーが付属。本体前面からUSB 3.0端子や音声入出力端子を利用したい場合は、ケース下部のカバーを開けて使用する。

ケース前面は光沢のあるプラスチックパネルを採用。なおBTOカスタマイズでホワイトも選択可能だ(無料)

USB 3.0やヘッドフォン、マイクといった前面端子は、ケース下部のカバーを開けて利用する

本体の左側面のパネルには通気口が設けられており、CPUファンに直接新鮮な空気を取り込める。拡張スロット部も同様にメッシュ加工が施され、グラフィックスカードを増設した場合も、その冷却を助けてくれるはずだ。拡張カードを搭載しておらず、ストレージもHDD 1台のみとなるため、ケース内部は大変すっきりとしている。フロント、リアともにファンを搭載していないので、動作音はとても静かだ。

サイドパネルのCPUと拡張スロット部分には通気口が設けられており、外部の新鮮な空気を取り込める

内部は非常にすっきりとしている。ケーブルもまとめられており、空気の流れを阻害することはないだろう

ドライブベイの空きは5インチが1つ、3.5インチが2つとなっており、2.5インチの吊り下げスペースも用意されている。2カ所のネジを外し、レールをスライドさせるだけでドライブベイを取り外すことができるため、増設作業も行いやすい。なお、標準搭載されているHDDは500GBだ。

ストレージ用のドライブベイは、ネジを外すだけでベイごとスライドして取り外せる

取り外したドライブベイ。HDDにはウェスタンデジタル製の500GBのものが採用されていた

電源には、国内外のPCメーカーに多数のOEM供給実績があるAcBel製の350W電源を採用。PC全体の安定性に関わるパーツだけに、高い品質レベルを誇るメーカーの製品がチョイスされているのはうれしいところ。電源効率に関する規格「80PLUS」において「BRONZE」を取得しており、熱や消費電力も抑えられそうだ。メモリにはADATA製のDDR3-1600が採用されている。4GBのメモリを2枚搭載しており、計8GBをデュアルチャネルで運用できる。64ビット版のWindows 8.1がインストールされているため、やはり8GB以上のメモリは必須だろう。

電源には電力効率のいい80PLUS BRONZEの製品を採用。数々の有名メーカーで採用されているAcBel製だ

メモリは4GB×2枚、計8GBが搭載されている。試用機では、メモリの総合メーカーであるADATA製のものが採用されていた

BTOカスタマイズでのパーツ増設のポイントはココ!

ここまでハードウェアの内容を確認してきたが、BTOカスタマイズを行うとしたら、どこをパワーアップさせたらいいだろうか。第一に考えられるのは、SSDの追加だろう。これまでPCの速度におけるボトルネックとなっていたHDDに変わり、急速に台頭してきたSSDは、その高速なアクセス速度でPCのあらゆる動作を快適にしてくれる。今では価格もこなれており、120GBのSSD(インテル 530 シリーズ)なら12,900円(税別)の追加で導入できる。予算が許すのであれば、ぜひ優先的に導入したい。

SSDのBTOカスタマイズ項目。以前は高価だったSSDだが、現在は1万円程度でも導入が可能となっている

若干、動作音は増すものの、PCをしっかりと冷却するためにケースファンを追加するのもいいだろう。9cmフロントケースファン&9cmリアケースファンなら、1,900円(税別)で導入できる。あとから取り付けるのは案外手間がかかるため、事前に増設しておくのは有効な手だ。

また、将来的にグラフィックスカードの増設を視野に入れているのであれば、電源容量も増やしておきたい。消費電力の少ないHaswell RefreshとH97 Expressの組み合わせなら、標準構成の350Wでも事足りるが、グラフィックスカードを増設するには心もとない……、というより正直厳しい。そこでオススメしたいのが700Wの大容量電源(5,900円・税別)。80PLUS GOLDの認証を得ているため、容量に比べ消費電力も少なめで安心だ。

ケースファンと電源のBTOカスタマイズ項目。わずかな投資で、より高い安全性を確保できる

ちょっとしたパーツ変更で、PCはさらに快適になる。BTOカスタマイズをうまく利用し、より快適な構成を選択したい。次ページでは、ベンチマークテストでLM-iH310X2の性能や消費電力を確認しよう。