まずはiTunes Uでのコース作りから
日本語の授業の一コマ。日本の学校では、時折、教師によって「○○を検索しましょう」といって検索させる風景を見かけるが、せっかくデバイスとネット環境が手元にあるのだから、検索するキーワードから考えさせなければ、と萩原氏は指摘する |
教師たちにiPadに対して興味を持ってもらい、使いこなせる状態を短期間で実現することができた。次は、iPadを前提とした授業作りという段階になった。連載の前稿で萩原氏は「HAGiPOD」というPodcastとこれを活用したiTunes Uのコースを製作していると紹介したが、これに加えて、そしてワークシートのように学習を記録しながら生徒がコンテンツを拡充できるアプリも作成している。
教師が独自のコンテンツを作るところからiPadを前提とした授業作りがスタートした。既存の教育のスタイルを規定している教科書を自分なりに作り直すことから始めると効果的だったという。一方で、iPadをコンテンツで満たしてしまうと、受動的な学習をする生徒となってしまい、既存の教科書を持たせての学習と変わらなくなってしまう。
ここで意識すべきは、教師がどんな学びを生徒に届けるかというビジョンを持つことと、生徒1人ごとに異なる才能や性格、能力を持っていることを考慮した上で、生徒の数だけの教え方、学び方を創ることだと語る。
そのためには、トップダウンではなくボトムアップでアイディアを作っていく事が必要だという。上がってきたアイディアに「Yes」と応えるリーダーシップによって活動を支えていくことで、教師のスイッチをOFFにせず、テクノロジーを定着させる環境とエコシステムを作り上げるのだ。