ベンチマークで実力を確認

ここからはベンチマークテストの結果を紹介したいのだが、AMDからAthlon 5350の競合製品となるPentium J2900以外のプロセッサとの比較を控えてほしいという申し入れがあった。Pentium J2900を搭載した製品は日本国内で流通していないので、今回はAthlon 5350単体の結果となることをあらかじめご承知いただきたい。

ちなみにAMDによるAthlon 5350とPentium J2900の比較は次の通り。

PCMark 8/BasemarkCL/3DMarkでの比較

実アプリケーションによるパフォーマンス比較

カジュアルゲームでのパフォーマンス

LibraOfficeでの演算を比較。OpenCL対応製品ではCPUやGPU単体よりも大きな差が生じるとしている

まず、本格的なベンチマークの前にWindowsエクスペリエンスインデックスから。

Windowsエクスペリエンスインデックス

PCMark 8

次は総合テストとしてPCMark 8の結果を示す。Home/Creative/WorkについてそれぞれOpenCLを使った場合と使わない場合でテストしている。OpenCLを使った場合、Homeのスコアでは約19%、そのほかでは約45%パフォーマンスが向上している。

■PCMark 8
テスト項目   非OpenCL OpenCL
Overall 1470 1747
Graphics  1354 1973
Physics 1650 2421

3DMark

グラフィックスのテストでは3DMarkを実施した。もともとモバイル向けの製品であったという点を考えれば存分に評価できる数字だと思うが、Cloud Gateでも場面によってはコマ落ちが発生したため、負荷が高めのゲームはつらそうだ。

■3DMark
テスト項目 Ice Strom Ice Strom Extreme Cloud Gate Fire Strike Fire Strike Extreme
Overall 32452 21347 2688 390 195
Graphics  35240 20430 2946 422 1129
Physics 25417 25330 2060 2967 2914

ゲームタイトルによるベンチマークテスト

ゲームタイトルを用いたベンチマークとして、まずはファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編の結果から。1,280×720ドットの「標準(デスクトップPC)」でスコアは2334、評価は「普通」。1,920×1,080ドットの「最高品質」でスコアは562、評価は「動作困難」となった。

「普通」という評価でも実際の平均フレームレートを見ると、23fps程度なのでこのぐらいがプレイできる限界と考えた方が、ストレスはたまりにくいだろう。

続いては「ドラゴンクエストX ベンチマーク」。「Athlon」と「Sempron」の発売記念イベントでは、ドラゴンクエストXについてAMD製APU向けた最適化が行われたことが明らかにされた。結果を見るとそれが裏付けられたといったいいだろう。

■ドラゴンクエストX ベンチマーク
テスト項目   標準画質 最高画質
1,280×720ドット 3892(普通) 3067(普通)
1,920×1,080ドット 2252(やや重い) 1504(重い)

1,280×720ドットでは標準画質はもちろん、最高画質でもある程度快適にプレイできそうだ。1,920×1,080ドットでは少し厳しいスコアとなっているが、より最適化が進むようなことがあれば、快適にプレイできるようになるかもしれない。

消費電力

最後は消費電力。OS起動後10分の最小値をアイドル時の電力、3DMark Fire Strike Extreme実行時の最大値を負荷時の電力とした。アイドル時では40W、負荷時では50Wという結果になったが、Athlon 5350のTDPが25Wということを考えると、システム全体ということを差し引いても少々高い数値だ。ただ、電源容量が1000Wなので低消費電力のAthlon 5350で使うには効率が悪いということ原因として考えられる。