ベントレーは、同社のフラッグシップモデル「ミュルザンヌ」のプロモーション映像を公開した。この映像の撮影と編集はアップルのiPhone 5sとiPad Airのみで行われているとのことだ。

"Intelligent Details"と題されたプロモーション映像より

この映像はベントレーのWebサイトで視聴することができる。"Intelligent Details"と題されており、ミュルザンヌの性能などを説明する内容となっているが、その中で、"Crewe-fitted Entertainment Specification"というオプションについて触れている。

これは、iPad Air用にデザインされたテーブルとワイヤレスキーボードのセットで、フロントシートの背面に格納されている。オンボードのWi-Fiルーターからインターネットに接続することも可能で、様々なコミュニケーションやエンターテインメント、情報にアクセスできるようになっている。金属製のテーブルはスクリーンの角度を調整可能で、指が挟まれないような仕様になってる。また車のエンジンがかかっているときにはiPadの充電が行え、テーブル自体を完全にとりはずして、座席の下に収納することもできる。

映像の後半、メイキングのパートが含まれており、ここでは同オプションを利用して、車内で「iMovie」を使い編集作業を行う場面やiPhone 5sを使っての撮影シーンが収められている。シューティングの場面ではiPhone 5sに特殊なアダプターを取り付け、ステディカムとして使用したり、望遠レンズを装着して撮影するなど、現場の様子を見ることができる。アプリは「FiLMiC Pro」を使用しているようだ。

同様のアプローチは、イギリスのファッションブランド、バーバリーが2014年春夏物のランウェイショーで行っているが、これがアップルとのコラボレーションによるものであったに対し、ベントレーは単独で制作に取り組んだ模様である。

制作時期はおそらくアップルが「CarPlay」を発表する前と見られ、ミュルザンヌは、同機能に対応していない。CarPlayはどちらかといえばドライバー向きで、Crewe-fitted Entertainment Specificationとはコンセプトが異なるソリューションではあるが、メルセデスのような高級車にも搭載されているといったこともあるので、今後の対応に期待したいところである。