ソフトバンクの孫正義代表は7日、2014年3月期の決算発表会では質疑応答の場で、ソフトバンクモバイルで900MHz帯のLTEが提供できる見通しが立ったことを明言した。
質疑応答で、記者団から「(今春提供予定としていた)900MHz帯によるLTE展開のアナウンスがまだないが、いつになるのか」と問われた際、孫社長は「900MHz帯は、総務省さんからやっとの思いで許認可を頂いた周波数。ドコモさんとKDDIさんは、もう何年も前から(同じプラチナバンドである)800MHz帯の、15MHz×15MHz幅で電波を運用できている。にも関わらず、我々が今回許認可を頂いたのは、5MHz×5MHz幅。残りの10MHz×10MHzは、"現在(無線などで)使用している事業者がいるが、それでも構わないなら許認可を出す"、というものだった」と、まずは"恨み節"で話を切り出した。
孫社長は、苦笑いしながら次のように続ける。「なんとひどい渡し方だ、と怒っていた。でも貰わないわけにもいかず、また許認可を出してくれる方といつも喧嘩しているわけにもいかないので、大人しく受けた。10MHz×10MHzについては、使用中の事業者に立ち退いていただかないといけない。代わりの機材を用意して、説得して、別の周波数帯に移ってもらえるようお手伝いする必要がある。何千社という規模で、これを行わないといけない。ほぼ不可能だろうと怒り狂っていたが、やっと、ほぼ事業者の説得が終わった」。
そして「事業者の立ち退きが終われば、今年の4月から電波を吹いて良い、という条件だった。現在は、最後の数社について立ち退きの手続きを行っている最中。それが終わらないと許認可は下りないが、メドは立っている。今夏にはサービスインできる」と話した。
900MHz帯でLTEを運用できるようになれば、900MHzと2.1GHzを使用したLTE-Advancedの技術「キャリア・アグリゲーション」も提供できるという。ただ「将来のことについて、いつどのようなサービスを展開するかについては言及しないのがソフトバンクのやり方。発表と同時にサービスインする」とし、詳細については明言を避けた。
(記事提供: AndroWire編集部)