ヤマハは4月17日、マイクとスピーカーを分離させた、Web会議向けマイクスピーカーシステム「YVC-1000」を発表した。5月15日より発売される。価格は12万円(税別)。

「YVC-1000」。左がスピーカーユニット、右がマイクユニット

「YVC-1000」は、マイクユニットとスピーカーユニットが分離しており、マイクユニットには単一指向性マイク3つが内蔵される、スピーカーユニットの最大音量は95dB(0.5m)。双方のユニットは専用ケーブルで接続され、マイクユニットはスピーカーユニットより、電源が供給される。外形寸法は、スピーカーユニットがW332×H95×D162mm、マイクユニットはW136×H36×D1362mm。なお、YVCは、Yamaha Voice Communicationの頭文字をとったものだ。

「YVC-1000」の利用例

ヤマハ 上席執行役員 楽器・音響開発本部長 長谷川豊氏

ヤマハ 上席執行役員 楽器・音響開発本部長 長谷川豊氏は、製品の特徴として、ユーザビリティ、ヤマハならではの高音質、映像との自然な一体感、多様なデバイス接続、拡張性の5つを挙げた。

「ユーザビリティ」では、音響問題の自動検知、音声ガイダンス、自動音響調整機能を有している。自動音響調整機能は、ボタン1つで部屋の環境に合わせて自動調整してくれる機能だ。

ユーザビリティ

本体上部のボタン

「映像との自然な一体感」では、マイクとスピーカーを分離したため、スピーカーを映像の下に設置でき、映像のほうから声が聞こえるといった、相手が目の前にいるような感覚を演出できる。

「ヤマハならではの高音質」では、ヤマハ独自の音声信号処理を装備している。具体的には、適応型のエコーキャンセラー、オートゲインコントローラー、オートルームEQ、マイクアレイ制御、残響抑圧、ノイズリダクションを搭載している。また、スピーカー音量も従来品により、2倍の音量になっている。

搭載された信号処理技術

適応型のエコーキャンセラー

ノイズリダクション

高音質のための機能では、人間の声以外を区別して除去するHVAD(Human Voice Active Detection)を新たに開発。これらはノイズリダクション、オートゲインコンローラー、マイクアレイ制御に利用されているという。

HVAD(Human Voice Active Detection)

「多様なデバイス接続」では、BluetoothやNFC搭載により、スマートフォン、タブレットにも接続でき、外出先からも利用できる。また、他のビデオ会議システムとも接続可能だという。

BluetoothやNFC搭載により、スマートフォン、タブレットとも接続可能

そして「拡張性」では、マイクを最大5台まで接続でき、外部スピーカーとも接続可能なため、大会議にも対応できるという。 なお、インタフェースとしては、USB 2.0、Bluetooth、NFC、オーディオ入力(RCA)、オーディオ出力(RCA)、外部スピーカー端子(RCA)、マイク端子がある。

背面のインタフェース

長谷川氏は「これまでの製品に比べ、一段上の製品だ」と自信を見せる。

ヤマハ 代表取締役社長 中田卓也氏

同社では、今回の新製品を成長のための戦略製品と位置づけており、ヤマハ 代表取締役社長 中田卓也氏は、「昨年、中期計画を発表したが、成長のドライバとなるのが、ヤマハの強みを活かしたエレクトニクス機器で、具体的には、電子鍵盤楽器、業務用音響機器、ICT機器の分野だ。ICT機器は、もっとも大きな成長を見込んでいる。 ICT機器においては、弊社はすでにルータビジネスを20年くらいやっているが、SOHO市場では高いシェアを持っている。そして、2006年にはデジタル化技術と通信を組み合わせて会議システムに参入した。この分野は、さらなる成長が見込めるということで、注力している。通信・音響機器メーカー 米Revolabs(レボラブズ)社の買収もその一環だ。今後は、サウンド技術と通信を組み合わせて、新しいコミュニケーションを提案し、次のヤマハの成長の軸としていきたい」と語った。

ヤマハ 執行役員 音響営業統括部長 大澤博史氏

また、執行役員 音響営業統括部長 大澤博史氏は、「遠隔会議には音声会議、ビデオ会議、Web会議の3つがあるが、パソコン、会議ソフト、カメラ、音声デバイスを使うWeb会議が成長している。ヤマハはここに参入している。弊社は2006年からProjectphoneシリーズを提供しているが、国内マイクスピーカー市場で57%のシェアがある。遠隔会議の4割は会議以外の用途で利用されており、コミュニケーション用途が広がっている。ここでの成長が見込まれる。今後は、今回の製品を会議用途以外でも使える品質の高い音声デバイスとして、市場を広げていきたい」と述べた。