しかし、Facebookは日本で大成功を収めることになった。こうした出来事を通して、ストップルマンCEOは「日本でもアメリカの企業が成功できる土壌ができてきた」と見ている。

「Yelpも日本で成功したいが、1年以上はかかるでしょう。東京オリンピックが開催されるときには成功したと言いたいですね」(ストップルマンCEO)

YelpにしろPinterestにしろ、ユーザーの利用は無料となっている。そうなると、企業としてどこから収益を上げるかは重要な問題だ。Yelpは広告で収益を上げているが、Pinterestは現在収益源を模索しているところ。シルバーマンCEOは「今は将来のために考えるべき時期」と述べている。

「ソーシャルネットワークサービスでは、友だちと話していて広告が出てくると嫌な気持ちになることがあります。ネットでは広告について懐疑的なところがあるのです。Pinterestでは広告が出ないのですが、現在Promoted Pin(広告ピン)をテストしています。ユーザーエクスペリエンスがどうなるかを見ています」(シルバーマンCEO)。

最後にピエリ氏から、「女性の働き方」についての質問が出た。会社全体に占める女性の割合はどれくらいか。そして、シニアポジションに何人の女性がいるのか。

これにストップルマンCEOは「会社全体では多くの女性が活躍している」と述べ、「私と直接対話する重要なポジションにも2名の女性がいる」と回答。一方のシルバーマンCEOは「シニアポジションに女性が多い。採用、財務、製品デザインなどの分野で女性が活躍しています。私に直接関わるところでは、8人か9人のうち、3名が女性です」と答えている。

そもそもソフトウェアエンジニアの分野は、大学卒業の段階ですでに女性が少ないという現実があるという。「いかにして女性がこの分野に若い段階で身を投じることができるのか」を考えていく必要があると、ストップルマンCEOは述べた。

本格的に日本で展開をスタートしたYelpとPinterest。2社が日本のIT分野で存在感を増していくことで、日本社会にどんな影響が表れるのかも興味深い観点だ。