パナソニックは3月25日、新興諸国などに多く存在する無電化地域向けの太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライコンテナ」を開発したと発表した。

同コンテナは、12枚のHIT太陽電池(発電容量約3kW)と24台の鉛蓄電池(蓄電容量17.2kWh)に加え、新たに開発したエネルギーマネジメントシステム「パワーサプライコントロールユニット」を搭載。鉛蓄電池の残量を見ながら、需給コントロールを行うことで鉛蓄電池の劣化を極力抑制することが可能となり、蓄電池のライフサイクルコストとメンテナンス工数の削減を図ることが可能だという。

すでに同社はインドネシア政府と、同コンテナを電源とするプロジェクト「中部ジャワ州カリムンジャワ島における電化促進による初等教育環境改善と貧困削減計画」に関する署名を交わしており、インドネシアの離島地域の教育環境改善を目的に、カリムンジャワ国立第一小学校へ納入することが決定しているとする。

インドネシアは、約13,000島からなる島国であり、島嶼部における電化は十分に進んでいるとは言えない。今回、同コンテナが導入されるカリムンジャワ地域も、夜間はディーゼル発電機による電化、日中は無電化という半電化の環境であり、日中電気がないことによって、教育環境が十分に整わないことが課題となっている。

同コンテナの小学校への導入により、照明や扇風機といった学校電気設備、パソコン、プロジェクタ、テレビといった教育ツールに対する電源の供給が可能となるため、施設環境や教育環境の改善を図ることが可能になるという。同小学校への導入は、2014年7月頃からの運用を目指す形で進められていく予定であり、同社としては、今後も同コンテナをアジア諸国や新興国における無電化地域や停電多発地域などの電力インフラ課題を解決するソリューションとして展開していくことで、より多くの地域で、より豊かで快適な生活の実現を目指していくとしている。

パワーサプライコンテナの外観イメージ

パワーサプライコンテナのシステム構成概要