多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「充電しながらスマートフォンを使っていいの?」という質問に答えます。

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ほとんどのスマートフォンには、電源にリチウムイオンバッテリーが採用されています。その多くはポリマー素材に電解液を含ませゲル状にした「リチウムイオンポリマーバッテリー」で、一般的なリチウムイオンバッテリー(電解液が液状)に比べ液漏れのおそれがない、シート状のため層を重ねて容量を増やせる、といったメリットがあります。ただし、二次電池として見ると特性に大きな違いはありません。

リチウムイオン(ポリマー)バッテリーには、メモリー効果がほぼありません。メモリー効果とは、バッテリーを完全に放電していない状態で再充電を繰り返すと最大容量が減ったように見える現象のことで、ニッケルやニッケル水素を利用したバッテリーでは問題視されていました。そのため充電のタイミングを見極める必要があり、バッテリーを完全に放電させてから充電し直す「リフレッシュ」と呼ばれる作業をときどき行う必要がありましたが、気にするほどのメモリー効果がないリチウムイオンバッテリーでは不要です。完全放電しないうちに充電し始める「継ぎ足し充電」で問題ありません。

しかし、リチウムイオン(ポリマー)バッテリーは、満充電のまま使い続けたり完全放電させたまま長期間放置したりすると、エネルギーを蓄える結晶構造にダメージを受けます。熱にも弱く、たとえば夏の炎天下に車のダッシュボードへ放置すると急速に劣化します。ダメージが積み重なるとバッテリーの最大容量は次第に低下するため、適度な温度と充電量で使うことが必要です。

充電しながらスマートフォンを使い続けると、バッテリーは「満充電のまま使い続ける」うえに「(アプリ使用で)温度が上がる」というダブルでダメージを受けることになります。わずかな時間であれば大したダメージはありませんが、そのような使い方を長期間続けるとバッテリーの寿命が短くなります。充電しながらの使用を避け適度に継ぎ足し充電をすることが、バッテリーを長持ちさせるコツといえるでしょう。

スマートフォンを充電状態で長期間使い続けると、バッテリーの寿命に悪影響をおよぼします(写真と本文は関係ありません)

(記事提供: AndroWire編集部)