Google Chrome runs web pages and applications with lightning speed.

記事「Chrome Is The New C Runtime」が興味深い提案をしている。この過去10年間でクロスプラットフォームのアプリケーション開発を重要性はますます増しており、これを実現するために「Chrome」そのものをクロスプラットフォーム開発の基盤としてはどうか、と提案している。提案者のSanjeev Radhakrishnan氏はMobileSpanで技術開発を牽引する人物とされており、過去2年間に渡ってこのアプローチを実践しこのアプローチが適切であると考えているという。

まず根幹にあるのは、現在の主要プラットフォームがWindowsのみならずMac OS X、iOS、Androidなど複数に分かれており、クロスプラットフォームアプリケーションの開発が困難であることを説明。Webアプリケーションも素晴らしいアイディアではあるが、ネイティブパフォーマンスが必要な場合には、やはりクロスプラットフォームに対応したアプリケーションの開発が必要だと説明。これに対し、Chrome(話で取り上げられているのはChromeのオープンソース版であるChromium)はすべてのプラットフォームに対応し、オペレーティングシステムの抽象化、ネットワーク通信機能、各種ライブラリなどを高いレベルですべて持っており、これをそのまま利用すればよい、という内容になっている。

Chrome Is The New C Runtime」が特徴的なのはChromeの上でJavaScriptを実行するとかNaCLで動作させるといったアプローチではなく、Chromeそのものをアプリケーション開発のクラスライブラリのように活用するという発想にある。開発ツールとしてはGoogleが自社のソフトウェア開発で広く採用しているGYPに準拠するところからはじめればよいとしている。