2014年度には58型以上の大型テレビは全て4K化する方針だという。さらに、現行の58/65/84型という3種類以外のサイズのテレビも投入し、4Kテレビのラインナップを強化する。小型テレビに関しても、4K化を進めていく意向だ。

4Kラインナップを拡大していく

2014年度には大型テレビを全て4K化する

新興国市場でもデジタル放送が開始されるなど、大型テレビに対する要求が強まっており、ASEAN諸国では40型以上の大型テレビの構成比が、11年度の24%から14年度には35%にまで達するとみており、ここに大型化、高付加価値化の製品を投入していく考えだ。

ASEAN市場の動向

こうしたASEAN市場に対しては、「Leading "JAPAN QUALITY"」の標語を掲げ、「こだわり商品を開発して提供していく」(徳光氏)という。

テレビの機能としては、「スマート機能」をさらに強化する。単にインターネットに接続できてコンテンツを観られる、というだけのスマート機能は「形だけ」(徳光氏)と否定的で、「テレビを徹底的に楽しむクラウドサービス」に特化した形で提供していく考えだ。

「使わないクラウドサービスを一生懸命やってもしょうがない」(徳光氏)として、使ってもらえるサービスを提供していきたい考え

特に「テレビの視聴スタイルを大きく変えたと自負している」(徳光氏)と自信を見せる「タイムシフトマシン」と、クラウドと連携して番組のレコメンドなどを提供する「TimeOn」サービスという2つの機能を中心に、国内だけでなくグローバルで展開していきたい考えだ。

「テレビの録画」は、特に米国ではあまり普及していない。CATVが発達しことで番組を録画して見返す必要性が乏しいことと、「録画予約が面倒」といった理由があった、と徳光氏は説明する。しかし、米国ではCATVの月額料金が必要なため、無料の地上波に移行する動きも出ているという。録画予約も、EPGや番組メタデータが発達してTimeOneのようなレコメンドやサジェスト、自動録画といった技術的な対応が可能になってきた。こうした環境的、技術的な背景から、「他国にも録画文化を広げていきたい」という戦略を打ち出す。

徳光氏は、13年は構造改革による「守り」の戦略だったが、それが一段落したことで、「攻め」の事業戦略に転換すると強調。テレビは大型化、高付加価値化を推進し、魅力ある製品の提供で、市場での存在感を拡大していきたい考えを示している。