iPhoneのホーム画面は、そのひとじしんを映しだす"鏡"です。なにが好きなのか、なにを気にしているのかみてとれますし、そのひとの性格までみえてくることもあります。ここでは、女子のiPhoneのホーム画面から、化粧などの外見や男女の恋愛に関する心理に詳しい心理学者であり、大学教員の平松隆円氏が、持ち主の性格や心理、行動をプロファイリングします。本稿を参考にすれば、ホーム画面さえみることができれば、その女子の口説き方までわかるかも!? 今回は24歳の女性Aさんのホーム画面です。

AさんとAさんのiPhoneのホーム画面全2枚

Aさん

1枚目

2枚目

プロファイリングと解説

今回の女性は、ホームスクリーンが2枚です。まず1枚目をみたときに、フォルダーに収納されているされているアプリがありませんでした。そのため、あまりiPhoneを使っていないのかなという印象を受けました。ですが、2枚目をみたときに、その印象は変わりました。というのも、5つのフォルダーが存在していたからです。おそらく、本当に日常的に使用するものを1枚目に、そうではないものを2枚目へと、わけているのかも知れません。

まずは1枚目をみていきましょう。特に、これといって特徴的なアプリはみうけられません。ただ気になるのは、「Lifebear」や「Ystream2」そして「Miror」です。「Lifebear」とは、いわゆるクラウド型の手帳アプリ。スケジュール管理だけではなく、タスクリストやメモ帳が一体化しているアプリです。

1枚目

「Ystream2」とは、YouTubeにある音楽やPVをバックグラウンド再生で楽しめるYouTubeプレイヤー。そして「Miror」とは、その言葉のとおり、鏡になるアプリです。この3つから考えられることはなにか。お天気系アプリの“そら案内”、交通系アプリの“乗換ナビ”、“計算機”もあることから、移動することの多い職業もしくは職種の女性ではないでしょうか。たとえば、営業系など。ひとと会う機会が多いことで身だしなみに気をつける必要があり、そのための鏡アプリ。移動時間中に楽しめるようにYouTubeプレイヤー。打合せ中にスケジュールやメモで右往左往しなくていいように一体型アプリを使っているのではないかと思うのです。

じつは、前回までの3人の女性たち。振り返っていただくと、未読メールが溜まっていました。しかし今回の女性は、未読のものがありません。この点からも、この女性が几帳面な性格なのか、もしくは業務的に早くメールを返信する必要があるのかのどちらかだと考えられます。 2枚目は、1枚目と比べて、ゲームやカメラなど趣味的なアプリが多いことに気づきます。ここからも、日常的に使用するものを1枚目に、そうではないものを2枚目へとわけていることがわかるでしょう。いや、むしろオンの時に使うものが1枚目で、デイオフの時に使うのが2枚目という感じなのかも知れません。

2枚目

写真で一言ボケるエンタメ系アプリ「bokete」があったりと、以外とおちゃめな性格なのか、日常のストレスが高く、笑って解消しようとしているのかも知れません。壁紙が動物というところも、アプリの傾向からすると意外な感じがしますが、やはりつかぬ間の安らぎを得ようとしているのかも知れません。また、気になるのは「ルナルナ」。女性であれば、生理日を予測するアプリがあっても不思議ではありません。男性であるボクが、ここに注目すると気持ち悪い印象を与えかねませんが、生理日が不安定になるほど仕事が忙しいのか、もしくは望まない妊娠を避けようという意識がかなり高いのかも知れません。

これらのことから、日頃忙しく仕事をこなしている。もしくは非常にキャリア志向が高い。その一方で、やはり仕事の疲れも感じている。そんな女性だと思うんです。であるならば、この女性の場合、いまの仕事を理解することはもちろん、将来のキャリアデザインも尊重してあげて欲しいと思います。そのうえで、彼女がほっとできる存在になれると、良いのではないでしょうか。

平松隆円…化粧心理学者/大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響をよんだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。