米Googleのメールサービス「Gmail」でメールを開くとメールに埋め込まれた画像が表示されないことが多いが、まもなく安全に全ての画像が自動表示されるようになる。

Gmailで非表示になる画像はメール内から外部にリンクされたものであり、画像読み込みを悪用したウイルスや不正なソフトウエアからユーザーを守るためにGoogleは非表示にしている。画像を表示したい場合、ユーザーは自身で安全な送信者からのメールであることを確認した上で「下記の画像を表示」を押す。これはGmailだけのセキュリティ機能ではなく、同様の方法を採用しているメールサービスは多い。だが、ユーザーにとって画像表示が一手間であり、また画像を表示してみるまで内容が分からないメールも多く、この方法ではユーザーが判断に迷うことも多い。

Googleの製品マネージャーであるJohn Rae-Grant氏によると、Googleは外部のサーバーにリンクされている画像をユーザーに直接読み込ませず、全てGoogleのプロキシサーバを通過させる。そこで既知のウイルスやマルウエアが含まれていないかをチェックし、トランスコードしてからユーザーに配信する。Gmailユーザーがメールを開くと全ての画像が速やかに表示され、「下記の画像を表示」のダイヤログが現れることはない。またGoogleのサーバーを経由することによって、ユーザーの画像の読み込みから送信者がユーザーのIPアドレスや現在地情報などを入手したり、送信者がCookieを設定するのも防げる。

画像が表示されないと内容が全く分からないメールも多い。画像の自動表示によって、全てのメールをすばやく確認できるようになりそうだ。

画像の自動表示は、12日にパソコンのWebブラウザで使用するWebアプリ版のロールアウトが始まり、2014年の初めにGmailのモバイルアプリ(Android、iOS)でも利用できるようになる。Rae-Grant氏は「メールが安全で高速に、そして美しく表示される」とアピールしているが、画像自動表示を無効にしたい場合は、歯車ボタン内の[設定]から[全般]タブの画像セクションで[表示前に確認]を選択して保存する。