定評あるNEXTGEARケースに水冷CPUクーラーも搭載
本機のベースとなっているG-Tuneの「NEXTGEAR」シリーズについては、すでに何度も紹介しているので、簡単におさらいしておこう。
ATXフォームファクタのマザーボードを搭載できるミドルタワー型のケースで、電源ユニットを底面に設置する低重心レイアウトを採用している。前面は片開きのドアでカバーされており、ドアの内側は防塵フィルター付きのメッシュパネル。ドアが不要というユーザーは取り外すことも可能(それによって空いたヒンジ部を埋めるパーツも付属)で、またメッシュパネル部分もフィルター清掃のため簡単に脱着できる設計となっている。
ケース内部では、使われる可能性の少ないストレージベイを削減し、その分グラフィックスカードが搭載される位置付近に、スペースの余裕を設けているのが特徴だ。大型のカードを搭載したときもエアフローが確保されるので、CPUと同等ないし、場合によってはそれ以上の熱源となる高性能グラフィックスカードも、安心して連続稼働させることができる。
また、試用機には水冷CPUクーラーが標準搭載されていた。これはキャンペーン期間限定の無償アップグレードということだが、いずれにしてもNEXTGEARシリーズはすべての機種のBTOオプションで水冷クーラーを選択可能。本機ではGeForce GTX 780 Tiのファン動作音もあるので静音というわけにはいかないが、クーラントを使って確実に熱を移動できる水冷クーラーだけあって、フルパワー動作時に極端にファンノイズが大きくなるといったことがなく、快適性は高い。
今回のモデルであるi630PA3-SPについては、CPUはCore i7-4770K(3.50GHz/ターボ・ブースト機能利用時最大3.90GHz)のみでほかの選択肢は用意されていないが、GeForce GTX 780 Tiを求めるユーザーならCore i5へのダウングレードを考えることもないだろう。メモリは標準が32GB(8GB×4)で、16GB(8GB×2)に削減した場合14,700円引きとなる。標準構成では2TBのHDDのみでSSDは搭載されていないが、BTOオプションにはADATA SP900、インテル530、インテル335、インテルDC S3500、東芝HG5d、Samsung 840 EVOと豊富なラインナップが用意されているので、予算と好みに合わせて追加することができる。
これまで見たことのないグラフィックスコアに驚き
では、お待ちかねのベンチマークテストだ。まずはWindowsエクスペリエンス インデックスの値を見たいところだが、本機はWindows 8.1専用モデルで、Windows 8.1にはエクスペリエンス インデックスを表示する機能が含まれていないため、それに相当するスコアを確認できるWindowsシステム評価ツール(WinSATコマンド)の実行結果を紹介する。
Windowsシステム評価ツール | |
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CPU | 8.3 |
メモリ | 8.3 |
グラフィックス | 8.7 |
ゲーム用グラフィックス | 8.7 |
ハードディスク | 5.9 |
グラフィックスはデスクトップ、ゲームの両項目とも8.7と、これまでに見たことのない水準のスコアが飛び出した。CPUとメモリの8.3も、Haswell世代最上位モデルのパワーがしっかり引き出されている証左であり、CPUとGPUの両方が最高クラスの製品であることを物語っている。
マウスコンピューター製品のレビューで長らく使用してきた3DMark Vantageの結果も、デフォルト設定であるPerformanceプリセットのGPUスコアが45000を超えるなど、ほとんどのユーザーにとって未知のレベルのパワーといって差し支えない。
3DMark Vantage Performanceプリセット | |
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3Dmarks | P39323 |
GPU SCORE | 45869 |
CPU SCORE | 27534 |
3DMark Vantage GPU SCORE | |
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1280×720 | 54617 |
1920×1080 | 35256 |
3DMark 11 Performanceプリセット | |
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3DMark Score | P12854 |
Graphics Score | 14848 |
Physics Score | 9301 |
Combined Score | 8963 |
3DMark 11 Extremeプリセット | |
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3DMark Score | X5152 |
Graphics Score | 4837 |
Physics Score | 9408 |
Combined Score | 5540 |
実際のゲームを利用したベンチマークテストでも、あらゆる設定で快適な動作が保証される水準の圧倒的なスコアとなっている。国内で人気のある定番作品はもちろん、負荷の高いFPSをWQHD解像度でプレイする場合もストレスを感じることはまずないと考えられる。また、本機のGeForce GTX 780 TiにはDVI-I、DVI-D、HDMI、DisplayPortの4系統の出力があるが、グラフィックスカード1枚でマルチディスプレイ環境を構築した場合の描画能力にも、さらなる余裕が生まれるだろう。
BIOHAZARD 6 ベンチマーク | |
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1280×720 | 20969 |
1920×1080 | 16147 |
ロストプラネット 2 ベンチマーク テストタイプB(DirectX 11) | |
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1280×720 | 110.0fps |
1920×1080 | 100.6fps |
モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク 大討伐 | |
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1280×720 | 46966 |
1920×1080 | 26686 |
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 | |
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1280×720【高品質(ノートPC)】 | 24110 |
1920×1080【高品質(ノートPC)】 | 19399 |
1280×720【最高品質】 | 20385 |
1920×1080【最高品質】 | 15466 |
CINEBENCH R11.5 | |
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OpenGL | 75.78fps |
CPU | 8.13pts |
20万円オーバーのハイスペックマシンとあって、誰もが簡単に買える製品ではないが、GeForce GTX Titanがかなりのプレミアムカードだったことを考えると、この価格で現時点で最高のグラフィックス性能とCore i7-4770Kが手に入るのは、むしろリーズナブルにも思えてくる。重量級のゲームをフルHD上の解像度で楽しみたいというヘビーゲーマーにとって、GeForce GTX 780 Tiの登場はマシン買い換えの十分な動機になる出来事といえそうだ。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | NEXTGEAR i630PA3-SP |
CPU | インテル Core i7-4770K |
メモリ | 32GB PC3-12800 DDR3 |
HDD | 2TB SerialATAIII |
チップセット | インテル Z87 Express |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 780 Ti |
OS | Windows 8.1 Pro 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×6(前面×2、背面×4) |
サイズ | W190×D543×H450mm(フロントパネル着脱前) |
ディスプレイ | - |
価格 | 219,870円(税込) |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2013/12/4(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。