Xbox OneとKinectで手話翻訳
続いて登壇した西脇氏が紹介したデモンストレーションは、樋口氏とクルトワ氏の強調した「デバイス&サービス」を実践したものだ。
最初のデモでは、まもなく登場する「Xbox One」と「Kinect」が用意され、モーションセンサーを用いて手話を翻訳するソリューションである。この技術は、みずほ情報総研と千葉大学で研究されているものだ。これにより、例えば銀行窓口などにおいて、健常者と聴覚障がい者との会話を支援するという。
このほか、XBOX OneとKinectを用いて、肌の様子から心拍数を検知してバイタルデータを得るデモも披露された。次のデモでは、防水・防塵・防薬品といった医療機関に適した富士通のWindows 8.1タブレットとBluetooth通信を活用し、無線機器で血圧計のデータを取得した。
こうしたバイタルデータは、「Microsoft Dynamics CRM」を用いてカスタマイズ構築された患者管理システムに登録され、治療の支援に用いられる。SNS・チャットやMicrosoft Lyncによるビデオ会議システムなどを利用して、情報共有や業務連絡などを簡単に行うことができるようになる。
デモでは、検査結果から手術が必要だということになり、ビデオ会議で執刀医に相談すると、「高精細なレントゲン画像」と「立体模型」を用いて患者に説明するとよいと言う。そこで西脇氏は、パナソニックの20インチ4K対応ディスプレイを搭載したWindows 8.1タブレットで、胸部レントゲン写真の細かい部位まではっきり見られることを証明した。
続いて西脇氏は、心臓の模型を取り出した。この模型は、Microsoftが発表したばかりのアプリ「3D Builder」によって3Dプリンタから出力し、西脇氏自身が着色したという。
さらにデモは、インフォームド・コンセントを行って、患者の同意を得る段階になる。最後に患者から署名をもらうところまで、医療業務の一連をすべてWindows 8.1タブレットとマイクロソフトシステムで完結するところが強調された。
このほか、WindowsだけでなくAndroidやiPhoneから利用できる飲食店向けの販売管理システムや、タブレットのみでダイレクトメールやサービスチケットを作成できるマーケティングシステム、クラウドベースのデバイス管理システム「Windows Intune」や「Visual Studio 2013」などが紹介された。前提どおり「デバイス」と「サービス」の提供という面が強調されたデモンストレーションだった。