ブログやCMSプラットフォームとして使えるWebサービスは数多く存在するが、オープンソースのWordPress (ワードプレス) の人気は衰えを知らない。全世界で圧倒的なシェアを誇り、個人の日記ブログから企業サイト、商用サイトまで、幅広く活用されているのを目にするはずだ。それに伴って、Webクリエイターにとっても無視できないツールとなり、様々な制作シーンにおいて「知らない」では済まされないほどに重要なスキルとなっている。

そんなWordPressの国内第一人者である星野邦敏氏、谷口允氏を講師として招き、10月16日に竹橋で『Creator’s Career Lounge(CCL)web vol.1』が開催された。

CCLはマイナビが主催し、Webクリエイターのスキルアップや人的交流を促す場として機能させることで、キャリアアップの一助を図ることを目的に開催されるイベントだ。今回が記念すべき初開催となる。

当日は大勢のデザイナーやエンジニアのみなさんが集まり、今、知っておきたいWordPressの技術や裏技、実践的なノウハウについてディスカッションされた。その内容は、事前に用意されたスライドをベースに以下のテーマで事例やTipsなどの紹介が展開されるものだった。

  • テーマの構造
  • 無限スクロール
  • スマホのレスポンシブ対応&ユーザーエージェント
  • カスタム投稿タイプ
  • パーマリンク設定
  • ページテンプレート
  • ショートコード
  • セキュリティ

前半4テーマを星野氏、後半4テーマを谷口氏が受け持ち、ぞれぞれの経験談をもとに活用ノウハウが2人の掛け合いトークで繰り広げられたのだが、参加者のみなさんが両氏の発言に熱心に耳を傾けていたのが印象的だった。

ジャンル不問、大規模サイトでもWordPressで構築できる!

コミュニティコム 代表取締役 星野邦敏氏

星野氏は自社メディアのサイト運営と、そこでのインターネット広告事業、WordPressによるサイト制作事業、コワーキングスペース「7F」の運営事業などを展開するコミュニティコムの代表取締役を務める。WordPress日本語公式サイトのイベントカレンダー更新をはじめ、WordPressイベントへのスタッフやスピーカーとしての参加、WordPressの技術関連書籍の著書も多数ドロップするなど、WordPressの第一人者として活躍する存在だ。そんな同氏が最近気になるWordPressによってつくられたサイトを、自身が手掛けたものも含め多数紹介してくれた。

ブログはもちろんのこと、企業や施設、文教、観光協会、芸能人、政治家、プロスポーツ選手、各種webサービス…と様々な領域に浸透しているWordPressの活用事例を挙げながら、その有用性について言及。例えば、何十人ものライターを抱えるマガジンサイトの運営において、編集者がライターそれぞれに寄稿者権限を与え、編集者が承認してはじめて公開される仕組みも簡便にWordPressで構築できること、従来はページが増えると重くなる言われていたWordPressも、1000ページ超の企業サイトでも楽勝で、サーバなどの環境が整えば何万ページ規模でもストレスなく稼働させられることに触れ、「予算が限られる中、OSSの強みを発揮して今後もWordPress活用は進むだろう」と見解を述べた。

また、webサービスの領域では完全クローズドによるコミュニティ運営に活用された事例を取り上げ「ver3.0以降に搭載されたマルチサイト機能を使い、wp-configを1行書き換えるだけで実現できる」と解説していた。