NECは10月22日、同社の中核事業であるテレコムキャリア事業の中期成長戦略について、記者説明会を開催した。

NEC 執行役員常務 手島俊一郎氏

NEC 執行役員常務 手島俊一郎氏は、同社のテレコムキャリア事業には、プロダクト、サービス・ソリューション、TOMS(通信事業者向け運用管理ソリューション)の3分野があるとし、事業を取り巻く市場環境として、「新興国を中心にした海外市場の成長」、「国内市場の伸び悩みとボーダーレス化」があると説明した。そして、これらを見据えた上で、キャリアの設備投資/運用費用効率化、収入増の効果が期待できるTOMS(通信事業者向け運用管理ソリューション)とSDN市場に成長機会があると語った。

テレコムキャリアの事業領域

そこで、同社ではTOMS事業とSDN事業を重点領域として注力していくという。

TOMSとは

TOMS事業では、これまで別々のシステムとして運用されていたBSS(Business Suport System:ビジネスのマネジメントを容易にする業務支援システム)とOSS(Opration Support System:通信サービスの提供において、経営資源の効率化をはかるための運用支援システム)のワンプラットフォームを推進し、これまでは個別SIが多かったこの分野の統一プラットフォーム化を進め、同社が提供する11ドメイン、42製品を自由に組み合わせて利用できるようにするという。また、SDNとの連携機能のサポートも行っていくという。

ワンプラットフォームの推進

そのほか、新規顧客層拡大もはかり、アジア、中南米のユーティリテイ、物流事業者をターゲットに、製品強化・チャネル拡大により新規顧客を獲得するという。

そして、TOMS事業売り上げを毎年4%伸ばし、2015年には、売り上げ高8,000億円、営業利益率10%目指すという。

新規顧客層拡大

SDN事業では、キャリアグレード技術、VTN技術、OSS/BSS連携等によるNECならではのキャリアSDNソリューションを提供し、グローバル先進キャリア市場に注力するという。

また、市場開拓/ソリューション提供体制を強化し、SDN技術マーケティング拠点を欧州に新設するほか、NECが2008年に買収した通信サービス事業者向けソフトウェアと構築サービス等を提供する米NetCracker Technologyのソリューションデリバリ力やソリューション販売手法の活用を行っていくという。

SDNの事業戦略

NECではこれら重点事業戦略により、2012年度に海外売り上げ比率24%だったものを2015年度には36%まで拡大し、2015年度に事業売り上げ8,000億円、営業利益率10%を目指す。

事業計画