―― デザインも、そのコンセプトに沿っているんですね。

斉藤氏「GW-A1100では、GW-A1000に比べてデザイン的な"押し出し"を強くしています。インデックスのサイズはそれほど変わっていませんが、フェイスをワイド化していたり、ベゼルのガードも大きめに。一般的なパイロットウオッチのイメージより、さらにタフらしい外観にしています。

実際の強度と関係なく、見た目で壊れそうとか、繊細な感じとか、弱そうだとか、そう見えたり感じたりすることもないようにしています。いかにも強そう、丈夫そう、安心できる、というビジュアルを作るようにしている。これはG-SHOCK共通のデザインのポイントですね」

GW-A1100-1A3JF
(ブラック×グリーン)

―― 従来のSKY COCKPITのイメージはブラック×オレンジのカラーリングが多かったと思いますが、GW-A1100では、カラーバリエーションの中からブラック×グリーンをメインモデル(広告ビジュアルなどで使用される)としていますね。

斉藤氏「開発では、過去に行ったロイヤルエアフォース(英国空軍)へのインタビュー(※2)なども大きく参考にしています。その中で、HUD(ヘッドアップディスプレイ)といわれる機器にグリーンのラインやテキストが使われているので、ブラック×グリーンのモデルがほしいという意見がありました。

そこで、じゃあ今回はブラック×グリーンをメインにしようと。別モデルのGW-A4000には、ブラック×グリーンモデルもあるんです。ちなみに、オレンジもフライトジャケットの裏地で使われているエマージェンシーカラーです」

※2 ロイヤルエア・フォース(英国空軍)へのインタビュー
GW-A1000の開発にあたり、カシオは英国空軍のパイロットからリアル・パイロットウオッチとしての仕様・要望について聞き取り調査を行っている。
BASELWORLD 2012 - 英国空軍が求めたパイロット仕様のG-SHOCKとは?

―― なるほど。そういわれれば、航空用のレーダーもグリーンですね。

斉藤氏「実際にそんな雰囲気のデザインですよね。ダイヤルのクロスラインや計器的な引き出し線など、実際にパイロットが飛行機の中で見ているもののデザインを踏襲しています。G-SHOCKは赤やオレンジ、黒一色などが多い中で、グリーンは珍しくて目を引くようですね」

―― ダイヤルだけでなく、バンドレターのプリント色やシャフトリングのIP(イオン・プレーティング)塗装がカラーコーディネートされているのも、SKY COCKPITの魅力ですね。

斉藤氏「G-SHOCKは"色"と密接な関わりを持つ製品なので、デザイナーも強いこだわりがあります。りゅうずをロックするバーの色もカラバリごとに変わっていたり、フライトコンポジットバンドのバージョン(ブラック×ブルー)だけボタンのヘッドがブラックだったりと、たいへん贅沢な作りになっています。ベゼルのリングはブラックIPですが、フライトコンポジットバージョンだけブルーIPだったりとか。お客様には、そういうところも見て選んでいただきたいですね」

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