上司やチームリーダーがメンバーに及ぼす影響は大きい。「励まされている」「支えられている」と感じると、従業員のパフォーマンスが改善されるという米アイオワ大学の調査からみてもわかるように、上に立つ人間の責任は大きい。良い影響を与えたいのは当然のことだが、一方で、悪い影響を及ぼすことだけは絶対に避けたいーーOpenForumの記事「悪い上司がやっている3つの危機的なミス(原題:The 3 Deadly Sins Of Bad Bosses)」では、上司が絶対に回避すべき3つの習慣を指摘している。

組織やチームという存在は不思議だ。メンバーそれぞれの能力はもちろん大切だが、上司の態度一つでメンバーのモチベーションは大きく変わってくる。

アイオワ大学の調査では、部下が上司から自律的な行動をとるように指示されたり、その行動を支援してもらっていると感じると、スタッフの態度が良くなる上、ストレスが減少し、生産性もアップするという。裏を返すと、逆の態度を取られた場合は、態度は悪くなり、ストレスが増加する上に、生産性はダウンするということになる。

OpenForumでは、上司など上の立場にある人間に対して3つのタブーを提案している。もし、あなたが上司なら、まずは下に挙げる3つを「しない」ことから初めてはどうだろうか。

自信が蝕まれる

「自信」は非常に大切なものである。アイディアを出し合ったり、相手の間違いを訂正したり、ミスを報告したりという、チームワークに不可欠なコミュニケーションの土台になっているのは、個人が持つ「自信」だからだ。

伝説の経営者として知られるJack Welch氏に言わせれば、「自信は成功の活力」だという。会議などの場で「意見を出しても反応がない」「相手にされない」など、大切に扱われていないと感じる従業員は「拒否された」と思ってしまう。上司から期待されていないと感じた従業員のパフォーマンスは、どんどん悪くなっていったとのことだ。

成人であっても「認められること」はうれしいし、仕事のエネルギーになることを忘れてはいけない。

褒めない

1つ目のタブーと関係が深いのは「褒めない」ことだ。説明するまでもないことだが、良い結果を出しても上司が褒めないと従業員のモチベーションは下がる。

ある調査では、成功したチームと、うまくいっていないチームの2つを比較したところ、「非難」と「賞賛」の比率が大きく異なっていたという。

うまくいっていないチームでは、チームメイトを非難するコメントが3回にあったのに対して、賞賛するコメントが1回であった。一方、成功しているチームでは、賞賛するコメントが6回もあり、非難するコメントは1回しかなかったという。

記事では「従業員のモチベーションを高めて継続に導くのはポジティブなフィードバックのみ」と指摘しており、叱られてばかりであったり、ネガティブなフィードバックばかりだとやる気は出ないということになる。

シェアしない秘密主義

重要な情報はしっかりと共有しているだろうか。それができていない上司は、背景に不安がちらついているのだという。「自分だけが知っている情報を持つことで上司としての尊厳を保とう」という心理が働いているといえそうだ。

だが、自分たちにとって重要な情報をタイムリーにもらえない従業員は、上司への不信感を覚え、不安になる。これだけ「シェア」が増えている時代の中では、特権にしがみつく上司ではなく、オープンである上司が求められ、尊敬を集めるといえそうだ。