ソニーが8日、VAIOの2013年秋冬新製品を発表した。そのなかで、ドイツ・ベルリンで開催された大型家電展示会「IFA 2013」にて「VAIO Fit multi-flip PC」として登場し注目を集めたのが、天板中央に備えた一本の線(ヒンジ)から3段階に変形するノートPC、新「VAIO Fit」シリーズだ。
今回、13.3型モデル「VAIO Fit 13A」の試作機を借りることができたので、早速写真でご紹介しよう。
VAIO Fit 13A。2013年秋冬モデルの新「VAIO Fit」シリーズは、ほかに14型のVAIO Fit 14A、15.5型のVAIO Fit 15Aがある。いずれもデザインは同じで、アルミのきょう体を採用し、天板とディスプレイの間にマルチフリップ式のヒンジを備える |
「VAIO Fit 13A」は、IFA以前にティザー動画が公開されていた。「It all begins with one line」(すべては1本の線から始まる)というキャッチコピーの言葉通り、天板に線が入ったようなデザインのヒンジでディスプレイを後方に回転させ、タブレット形状や、ディスプレイを反対側に表示するビューアー形状に変形させて使用できる。
本体サイズと重量は、W325.4×D223.4×H14.3~17.9mmで約1.31kg。13.3型サイズにこのような特殊な機構を備えていながら、たわんだりぐらつような箇所はほぼなく、高い剛性のしっかりしたPCという印象を受ける。本体素材にはアルミを採用し、全体にヘアライン加工が施されている。VAIOロゴはクリスタルカットだ。
それでは3段階の変形機構を見てみよう。天板中央の回転機構はマグネット式で、ディスプレイ上部を外側に押すイメージで回転させる。天板上部と内部のディスプレイのみ回転するため(天板下部は動かない)、天板側から見るとまるで天板が外側に向かって折れたかのように見える。なお、ディスプレイの表示は自動回転に対応する。
キーボード面には、ディスプレイ誤回転防止用の「ディスプレイロックスイッチ」を備える。この部分を「LOCK」にしておけば画面は回転せず、「RELEASE」にしておけばいつでも回転可能。回転させるために、都度スイッチを入れる必要はない。
それでは本体外観をご紹介する。VAIO Fit 13Aは、ソニーが打ち出す、PCならではの"クリエイティビティ"を体現したPCの1つ。ノートPC形状なら今までのPCと遜色なく、タブレットならタッチ入力に最適なデバイスとして、目的に合った形状に変形させるものを目指したという。CPUにはIntel Core i5-4200U(1.60GHz)、ディスプレイは13.3型ワイド(1,920×1,080ドット)で静電式タッチパネルを搭載する。
13.3型液晶を搭載。解像度は1,920×1,080ドット |
フロントには"Exmor R for PC"のCMOS搭載92万画素Webカメラ |
「ビューモード」の状態。複数人で映像を視聴する場合や、プレゼンテーション時に最適とする |
キーボードは、2013年夏モデル「VAIO Fit 15」からテンキーを省きキー配列とキーボード面の両端にスペースをもたせた。タッチパッドは中央に配置されている。キーの打鍵感は「VAIO Fit 15」と同等。標準キーの実寸は15×15mm、キーピッチは19mmだった。また、タッチパッドは13.3型ノートPCとしては大きめにとられている印象だ。
インタフェースはIEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0+HS、USB 3.0×2、HDMI×1、SDカードスロット、ステレオミニジャックなど。有線LANは搭載しない。ほか、近距離無線通信技術NFCや、背面には"Exmor RS for PC"CMOSの8Mカメラも備えている。なお、本機の詳細な仕様は別途ニュース記事に詳しいので、興味があればご参照いただきたい。