パラレルスは、昨年に引き続き、業種や規模の異なる日本の規模企業(SMB)600社を対象に独自に調査を実施し、国内SMB向けクラウドサービス市場の成長状況について総合的にまとめたレポート「Parallels SMB Cloud Insights(パラレルスSMBクラウドインサイツ)日本版」の2013年版を9月27日に発表した。

「Parallels SMB Cloud Insights日本版」

調査によると、従来のホスティングから新しいクラウドサービスへの移行に伴い、2013年夏における国内SMB向けクラウドサービス市場は前年から25%の成長を記録し、1,680億円に達したという。

同社はクラウドサービスを、「IaaS(Infrastructure as a Service)」、「ウェブプレゼンスおよびウェブアプリケーション」、「ホスト型コミュニケーションおよびコラボレーション」、「オンラインビジネスアプリケーション(別名SaaS=Software as a Service)」という4カテゴリに分類。また、SMBを従業員1-250人の中堅・中小企業と定義している。

「IaaS」は情報システムの稼動に必要な機材や回線などのインフラを、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにするもので、日本のSMB市場全体の23%がホスティングサーバを利用し、前年比4%増となり460億円の売上。成長の主な要因は、多くのマイクロSMBと小規模SMB(従業員49名以下のSMB)がサーバを初めて購入する際に、社内サーバではなくクラウドサーバを選択したことが挙げられる。

ウェブプレゼンスおよびウェブアプリケーションの日本向け市場の成長は2012年から加速し、23%の成長率。ウェブサイトを開設している企業はSMB全体の59%であり、そのうち約70%が第三者のホスティングサービスを利用している。

ホスト型コミュニケーションおよびコラボレーションの2つのサービスの市場規模は合計72億円程度で、ウェブプレゼンスやIaaSの市場規模と比べて規模は小さいものの、前年比90%増の成長率を示しており、成長率は大きく上回る。

また、ビジネスアプリケーションは、2012年もSMBによる支出が最も高く、成長率32%で順調に拡大し、現在の市場規模はすでに690億円。今後も成長が続くと予想され、日本のSMB向けクラウドサービス市場で最大のビジネスチャンスとなっている。

米パラレルスのCEOであるバーガー・スティーンは「Parallels SMB Cloud Insights レポートは、今日の日本でSaaSおよびIaaSサービスが重要な役割を果たしていることを示し、市場が成熟するにつれ、SMBの需要は従来のホスティングから新しいSaaSサービスに向けて移行する。今後もサービスプロバイダと連携し、日本のSMBに向けてサービスとしてのITで好機をつかむ方法を発信していく」と述べている。