イー・アクセスは18日、1.7GHz帯に関する記者説明会を開催した。同説明会では下り300Mbpsの高速通信に成功したLTE実証実験についての詳細が報告されたほか、今後の施策についても説明があった。
総務省では毎年、電波の利用状況に基づいて周波数帯域区分の策定および改訂を行っている。この「周波数再編アクションプラン」において、今後、新たに1.7GHz帯の周波数「F0(5MHz幅)」が通信会社1社に提供される見通しだ。イー・アクセスではかねてから、このF0の帯域幅を獲得したい意向を示している。同じ1.7GHz帯でサービスを展開する通信会社にはNTTドコモがあり、やはりF0の獲得に興味を示している。
イー・アクセスの優位性
説明会では、はじめに同社取締役名誉会長の千本倖生(せんもとさちお)氏が登壇し挨拶した。千本氏は「F0を利用するべく、弊社では3年前から周到に準備してきた」と話す。全国に展開しているイー・アクセスのLTE基地局、および既発売のLTE対応端末には、既にF0を使った高速通信を利用できるモジュールを実装済みだという。このためF0が割り当てられれば、ユーザーはすぐにでも下り100Mbps超の高速通信が利用可能になる。千本会長はこのほかにも、F0がイー・アクセスに割り当てられるべき理由を力説した。
F0はイー・アクセスが展開しているF1~F3(計15MHz幅)に隣接する帯域。F0を追加することで連続する20MHz幅での利用が可能になり、「2×2MIMO(下り150Mbps)」「4×4MIMO(下り300Mbps)」といった技術による高速通信が実現できるという。一方で「"離れ小島"の5MHzをNTTドコモが獲得してもメリットは少ない」と千本氏。有限希少なF0という周波数はイー・アクセスが活用すべきだ、と主張した。
千本氏は「NTTドコモさんは1.7GHz帯において既に20MHz幅を確保しており、この10月にも150Mbpsの高速通信サービスを提供予定だと聞いている。複数の周波数帯で展開できるNTTドコモさんは、一番有利な立場にいらっしゃる」と話し、1.7GHz帯の周波数におけるイコールフッティングという観点からもイー・アクセスの優位性をアピールした。