9月15日、東京芝浦にてMozilla Festival in Tokyoが開催された。Mozillaとコラボするコミュニティ、学生、企業の研究・開発者などが一堂に会し、その成果を発表し合うイベントである。ロンドンでは毎年開催されているが、今回初めての国内開催となった。参加者が独自の「アイディア」、「プロトタイプ」、「成果」を発表した。その内容の一部ではあるが、レポートしたい。

新しいものづくりをめざして

まずは、fab系から紹介しよう。fabという言葉の由来はfabrication(ものづくり)であるが、Webを通じたコミュニケーションなども含んでいると考えたほうがよさそうだ。Mozilla Japanでは、2012年よりMozilla Factoryという活動も行っている。

こちらは、「オープンを軸としたものづくりを学び、実践する場」として活動している。参加者は中学生から、アドバイザー的なプロフェッショナルなどから構成される。Mozilla Factoryにとっても、Mozilla Festivalは最高の発表の場となっていた。まず、紹介したいのは、fabnavi:ものづくりの過程を記録/共有/再生する次世代ファブ基盤である。

図1 fabnavi

ブロックの組み立ての手順を手元にプロジェクタで表示する。どのパーツを使うのか、どう組み立てていくかは、ユーザーは手元を見ているだけでよい。従来のマニュアルや手順書ではできないことが可能になる。一方、拡大表示や多方向からの表示など、検討課題もある。今後、研究を重ね、より使いやすいものにしていきたいとのことである。次は、ぶっとびケータイである。

図2 ぶっとびケータイ

Mozilla Factoryのプロジェクトの1つである。とにかく斬新なアイディア(使うと仲良し家族になる、ポケットに入れるとヒンヤリ気持ちいい、恋人の気分によってカタチが変わる)を出し合うことで、これまでにないケータイを作ってみようというものだ。会場では、中学生のメンバーがケータイを分解し、パーツを紹介していた。また、PandaBoardやRaspberry PiにFirefox OSをインストールしたデモなども展示された。

図3 PandaBoardで動作するFirefox OS

次は、OpenStreetMap Foundation JapanとOpenReliefの2つのプロジェクトが合体したプロジェクトである。OpenStreetMap Foundation Japanでは、フリーの地図情報の提供を目指す。OpenReliefは、災害時の救援活動用の無人撮影飛行機開発を目標とする。このコラボにより、災害時の道路状況を速やかに提供することを目標としている。

図4 左が大島の地図、右が災害時の道路情報などを表示

現在は、大島の観光協会と協力し、マップの作成を行っている。安全で、安価な飛行機の開発などが課題とのことだ。実際に無人飛行機を飛ばすには、建物の高さなどの情報も必要になる。従来の地図にはない情報も今後、追加していくとのことだ。次は、Webを利用したfab系ワークショップ紹介である。fablabは3Dプリンタやカッティングマシンなど持つワークショップで、最近、普及が進む。当日は、ペーパーカッターを使ったラベル作りが行われていた。

図5 PCのデザインをペーパーカッターで加工

他にも、これまでにMozillaと行ったワークショップが紹介された。