大ヒットしたGoogleのAndroidタブレット「Nexus 7」の2013年モデルが8月28日より日本国内で発売された。本稿では、米国版を1カ月近く使ってきた筆者が2回にわたり、Nexus 7 (2013)の使い勝手などを紹介している。前編では、Nexus 7 (2013)のハードウエア仕様を中心に、初代モデルからの向上点を紹介した。後編では、各種ベンチマークアプリケーションを使用し、同モデルのパフォーマンスについて解説していく。

Nexus 7 (2013)

本体サイズは114×200×8.65ミリ、重さは290グラム。初代モデルよりも長辺が若干長くなったが、短辺が6ミリ短く、そして50グラム軽くなっている

パフォーマンスに関しては、今回モバイルプロセッサ/メモリーの性能を計る「Geekbench 2」、よりリアルなシナリオで計れるようになった「Geekbench 3」、そしてAdnroidデバイスのハードウェアの性能全般を計る「AnTuTu Benchmark」で計測した。

Geekbench 3はシングルコア・スコアが「578」、マルチコア・スコアが「1854」。以下のチャートは初代Nexus 7とiPad miniとの比較だ。

Geekbench 3のベンチマークスコア。グレーがシングルコア性能、緑色がマルチコア性能

Geekbench 2スコアの端末比較チャート。プロセッサがTegra 3になっているが、Your DeviceがNexus 7(2013)。Nexus 10を上回っている

Geekbench 2のスコアは「2646」。「Nexus 10」を上回って、Nexusシリーズでは最高値である。AnTuTu Benchmarkは「18409」。初代Nexus 7のAnTuTuスコアは「12639」だ。

Nexus 7 (2013)は現時点で最も高性能な7インチタブレットの1つに数えられる。もちろんベンチマークスコアが、そのままタブレットの使い勝手や使用体験になって現れるわけではない。ハードウエアは優れた使用体験を実現する要素の一つに過ぎず、Androidデバイスの圧倒的なベンチマークスコアは鵜呑みにできないという指摘は多い。

そんな評価を覆そうとGoogleはJelly Beanで使用体験を向上させる最適化に努めてきた。Nexus 7 (2013)が搭載するAndroid 4.3はJelly Beanの3番目のアップデートである。細かくあげつらえば、スクロールのアニメーションの立ち上がりなど今でも引っかかるところが残っているものの、全体的にはレスポンスの良い、滑らかな動作を実現している。iOSと比べても遜色ないぐらいと言えるぐらいAndroidが成熟してきたことを、Googleが手がけるNexus 7 (2013)では実感できる。

新Nexus 7があればAndroidゲーム機はいらない?

Nexus 7 (2013)を使い始めて一カ月近く経つが、意外なことに初代Nexus 7が色あせたりはしていない。初代Nexus 7にもAndroid 4.3へのアップデートが提供されており、これからも使い続けることになると思う。初代Nexus 7は重さが340グラムだが、持ちやすいタブレットなので、290グラムのNexus 7 (2013)が登場した今でも使いにくい感じがしない。従来の7インチタブレットの使い方で使うなら、初代Nexus 7ユーザーが急いでNexus 7 (2013)に買い換える必要はないと思う。