富士通研究所は5日、手のひらの静脈画像から2.048ビットの特徴コードをを抽出し、照合を実現する認証技術を発表した。従来の従来の静脈認証と比較して、高速な認証処理が行えるという。同研究所では2015年の実用化に向けて開発を進めるとしている。

手のひらの静脈画像から、特徴となる部分を"0"と"1"で表現した2,048ビットの特徴コードを生成する。静脈画像から手の輪郭部の情報を取得して、画像の一補正や形状補正を行うための画像正規化技術の開発によって、特徴コードの抽出再現性を向上させた。

生体情報からの特徴コードの抽出

正規化した画像に対し、情報量に応じて領域を分割、それぞれの領域から静脈パターンの特徴成分を抽出する。さらに情報量削減の技術を用いて最終的に2,048ビットの特徴コードを生成する。領域を適応的に分割することで、位置ずれや変形があっても影響を受けにくい特徴抽出方式を実現するという。

特徴コードによる手のひら静脈認証技術の概要

富士通研究所によると、抽出された特徴コードから元の画像を類推することは困難なうえ、特徴コードが外部に漏洩した場合も変換条件を変えることで、新しい特徴コードを生成することができるとしている。

複数サービスで異なる特徴コードを利用する

変換条件を変えることで、1つの生体情報から複数の特徴コードを生成できるため、生体認証サービスごとに異なる特徴コードを登録することが可能となる。

従来の静脈認証でも、1つの生体情報から複数の生体特徴情報を生成する技術(キャンセラブルバイオメトリクス、リニューアブルバイオメトリクス)は実現可能だが、照合の際にパターン照合が必要となり、処理に時間がかかるという課題があった。

新たに開発した技術を利用することで、一般的なPCを使って1対1で認証、照合処理を行った場合、従来技術の数ミリ秒から約1/1000となる約1マイクロ秒に短縮可能でき、データ量も従来に比べて約1/10に削減可能としている。また、特徴コードは他人受入率10万分の1レベルの識別性能を持つという。

今後は2015年の実用化を目指し、入力時の手の傾きや形状などの制限を極力減らすための画像正規化技術の強化と、特徴コード抽出技術の高精度化を進めるという。