それでは実際の性能を各種ベンチマークで見ていこう。今回は冒頭で触れたように、直販モデルの「LIFEBOOK WU1/L」と店頭販売モデルの「LIFEBOOK UH90/L」を比較しながら進めていく。まずは、ハードウェアの主な差異を下表に抜粋してみた。

LIFEBOOK WU1/L LIFEBOOK UH90/L
CPU Core i7-4500U
(1.8GHz/3GHz、TDP15W)
Core i5-4200U
(1.6GHz/2.6GHz、TDP15W)
メモリ PC3L-12800 8GB
(8GB×1)
PC3L-12800 4GB
(4GB×1)
ストレージ 256GB mSATA SSD 500GB SATA ハイブリッドHDD
■Windows エクスペリエンス インデックス
LIFEBOOK WU1/L LIFEBOOK UH90/L
プロセッサ 6.9 6.9
メモリ(RAM) 7.2 5.9
グラフィックス 4.5 4.3
ゲーム用グラフィックス 6.3 6.2
プライマリハードディスク 8.1 5.9

「エクスペリエンス インデックス」で注目したいのは、ストレージのスコアの差だ。UH90/Lが5.9、WU1/Lが8.1と大きな差になっているのは、紛れもなくWU1/LのSSDがUH90/LのハイブリッドHDDに対し優位であることを示している。

■PCMark7
LIFEBOOK WU1/L LIFEBOOK UH90/L
PCMark score 4720 3637
Lightweight score 3410 2267
Productivity score 2653 1685
Entertainment score 3130 2672
Creativity score 9097 7017
Computation score 13447 12325
System storage score 5501 3605
RAW system storage score 6375 1545

エクスペリエンス・インデックスよりもストレージ性能が影響を及ぼす「PCMark7」で比較してみよう。総合スコアで1000ポイント以上、System storage(保存したデータの読み込みやウイルススキャンの処理などを模したテスト)ではさらに大きな差がついている。このスコアの違いは日々使用する際のサクサク感に直結する。細かい処理の待ち時間を短くしたいなら、SSDを搭載したWU1/Lが各段に優れている。下の「CrystalDiskMark」の結果も同様だ。

LIFEBOOK WU1/L

LIFEBOOK UH90/L

3D系性能とバッテリ駆動時間は?

定番の「3DMark」を使って描画性能をテストした。CPU内蔵グラフィックスの「HD4600」しか使えない機種であるため、DirectX10ベースの「Cloud Gate」のスコアを比較する。WU1/LよりUH90/Lのスコアが高いが、これは誤差の範囲。GPUの描画性能は両者ほぼ同じといってよい。「新生ファイナルファンタジー14」の公式ベンチマークは、CPU内蔵グラフィックを使うUltrabookによくある結果で、標準以下の画質で解像度を大きく下げないとマトモに遊ぶのは難しいことを示している。ホビーよりもメールやSNS、ビジネス的な用途の方が向いているようだ。

■3DMark
LIFEBOOK WU1/L LIFEBOOK UH90/L
Cloud Gate 2837 2980
■FF14公式ベンチ
LIFEBOOK WU1/L LIFEBOOK UH90/L
1280×720ドット 標準品質 2285 2221
1920×1080ドット 標準品質 1244 1111

最後にバッテリの駆動時間を「bbench」で計測してみた。液晶輝度を50%に固定し、キー入力とWeb巡回を有効にした状態で実行している。電源の設定は「バランス」を選択した。

■bbench
LIFEBOOK WU1/L LIFEBOOK UH90/L
電源設定:バランス 4時間39分 4時間01分

HDD搭載のUH90/Lのほうが消費電力が大きいため、SSD搭載のWU1/Lよりバッテリが持たないのは予想済みだったが、JEITA測定値の公称11時間から離れた結果となった。、UH90/Lを「省電力」および液晶輝度50%の設定でテストした場合でも約4時間20分なので、CPUやストレージ以外の影響が大と考えられる。

原因として考えられるのは液晶の特性だ。IGZO液晶は一度表示した画像をそのまま表示しつづける際には従来の液晶より省電力だが、画面を書き換える際は普通に電力を食うという。よって、bbenchによってWeb巡回をするたびに、高解像度液晶がウィンドウ全体を書き替えて電力を大きく消費したようだ。液晶の輝度を下げてテストすれば、結果はここまで離れなかったかもしれない。

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