第4世代Intel Coreプロセッサ

Intelは3日(現地時間)、同社の最新CPU「第4世代Intel Coreプロセッサ(開発コード名:Haswell)」を正式に発表した。日本国内では6月2日にデスクトップ向けCPUなど一部モデルの販売をすでに開始しているが、Intel自身から正式な発表は行われていなかった。

同社は2013年4月27日(日本時間)、同社の公式Facebookページに「3,337,200,000,000,000ナノ秒後に第4世代Intel Coreプロセッサが登場する」との画像を公開した。その予告通り、"3,337,200,000,000,000ナノ秒後"つまり38日後の6月4日に第4世代Intel Coreプロセッサを発表したこととなる。

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【特集】「Haswell」完全攻略!! 「Core i7-4770K」検証で見る第4世代Coreの真実

今回の正式発表を踏まえて新たにUltrabookや着脱式のノートPCに向けた「U」型番や「Y」型番といったプロセッサや、まだ公開していなかったオールインワンデスクトップ向け、ノートPC向けプロセッサの仕様も公開した。

■表1 Ultrabook向け"U"プロセッサ
型番 コア/スレッド 周波数(Base/Turbo) L3キャッシュ 対応メモリ 内蔵GPU TDP 参考価格
Core i7-4650U 2/4 1.7GHz/3.3GHz 4MB DDR3-1600 HD 5000 15W $454
Core i7-4550U 2/4 1.5GHz/3.0GHz 4MB DDR3-1600 HD 5000 15W -
Core i7-4500U 2/4 1.8GHz/3.0GHz 4MB DDR3-1600 HD 4400 15W -
Core i5-4350U 2/4 1.4GHz/2.9GHz 3MB DDR3-1600 HD 5000 15W $342
Core i5-4250U 2/4 1.3GHz/2.6GHz 3MB DDR3-1600 HD 5000 15W -
Core i5-4200U 2/4 1.6GHz/2.6GHz 3MB DDR3-1600 HD 4400 15W -
Core i3-4100U 2/4 1.8GHz/ - 3MB DDR3-1600 HD 4400 15W -
Core i3-4010U 2/4 1.7GHz/ - 3MB DDR3-1600 HD 4400 15W -
■表2 着脱ノートPC向け"Y"プロセッサ
型番 コア/スレッド 周波数(Base/Turbo) L3キャッシュ 対応メモリ 内蔵GPU TDP 参考価格
Core i5-4200Y 2/4 1.4GHz/1.9GHz 3MB DDR3-1600 HD 4400 11.5W -
Core i3-4010Y 2/4 1.3GHz/ - 3MB DDR3-1600 HD 4400 11.5W -
■表3 ハイパフォーマンスノートPC向けプロセッサ
型番 コア/スレッド 周波数(Base/Turbo) L3キャッシュ 対応メモリ 内蔵GPU TDP 参考価格
Core i7-4950HQ 4/8 2.4GHz/3.6GHz 6MB DDR3-1600 HD 5200 47W $654
Core i7-4850HQ 4/8 2.3GHz/3.5GHz 6MB DDR3-1600 HD 5200 47W $468
Core i7-4750HQ 4/8 2.0GHz/3.2GHz 6MB DDR3-1600 Iris Pro 5200 47W -
Core i7-4702HQ 4/8 2.2GHz/3.2GHz 6MB DDR3-1600 HD 4600 32W -
Core i7-4700HQ 4/8 2.4GHz/3.4GHz 6MB DDR3-1600 HD 4600 47W -
■表4 オールインワンデスクトップPC向けプロセッサ
型番 コア/スレッド 周波数(Base/Turbo) L3キャッシュ 対応メモリ 内蔵GPU TDP 参考価格
Core i7-4770R 4/8 3.2GHz/3.9GHz 6MB DDR3-1300/1600 Iris Pro 5200 65W -

第4世代Intel Coreプロセッサは、前世代の第3世代Intel Coreプロセッサ(開発コード名:Ivy bridge)と同様に、22nmプロセスに基づく3Dトライゲート・トランジスタを採用する。

省電力化に注力したプロセッサで、CPU側に電圧レギュレータを統合し、動作時の電力を最適化する。また、Ultrabookや着脱式ノートPC向けの「U」型番や「Y」型番では、Cステートを拡張して省電力化を図っている。

拡張したCステートの概要

CPU自体はC0~C7までのCステートで電力の管理を行うが、システム側に新たにC8~C10までのCステートを用意する。より深いCステートでシステムの電力管理を行うことで、システム全体で消費電力を抑えている。

深いCステートを維持するために、電源管理のフレームワークとして新たに「Power Optimizer」を搭載する。OSなどからによる割り込みを同じタイミングでまとめ、アイドルの時間を長くすることで深いCステートを保つ。

割り込みのタイミングをまとめる。Windows 8ではOSからの割り込みもある程度時間を調整することができるため、より省電力化する

システム全体の消費電力を削減する

これらの省電力技術により、バッテリ駆動時間はオフィスにおいて使用するソフトウェア利用の場合、前世代のIvy Bridgeの6時間から1.35倍の8.3時間に、HD動画を再生している状態でも、Ivy Bridge世代の6.1時間から1.5倍の9.1時間と向上するという。

グラフィックに関しては、すでに弊紙でも何度か紹介しているが、Intel HD 4000シリーズとIntel HD 5000シリーズに加えて、新ブランド「Iris」の名を冠したIntel Iris Graphics 5100とIntel Iris Pro Graphics 5200という内蔵GPUを採用する。最上位GPUのIntel Iris Pro Graphics 5200では、eDRAMを搭載しパフォーマンスの向上を図っている。

各内蔵グラフィックスのモデル名

Intelが以前公開したIvy Bridge世代プロセッサとのグラフィックス性能の比較では、Haswell世代のグラフィックス性能が、Ivy Bridge世代を大きく上回っていることが示された。

Ultrabook向けプロセッサの性能比較

各ハイエンドノートPC向けプロセッサの性能比較

デスクトップ向けプロセッサの比較