機材の準備ができたら、まず星を止めて撮る方法を試してみましょう。カメラを三脚に固定した上で、撮影モードを「マニュアル露出」に、絞りを「開放値」に、シャッター速度を「8~30秒」程度に、感度を「ISO1600~6400」程度にそれぞれセットします。ピントについては、オートフォーカスではなくマニュアルフォーカスに切り替えて、手動で遠景の風景に合わせます。

自分でひとつの設定をとりあえず決めて撮影し、その設定で撮った写真が暗いと感じる場合は、シャッター速度をより遅く(長く)する、または感度をより高くします。逆に明るいと感じる場合は、シャッター速度をさらに速く(短く)する、または感度を低くします。

注意点は、シャッター速度を遅くしすぎると、星がブレてしまうことです。どのくらいの速度でブレるかはレンズの焦点距離によって異なります。個人的には、目安として35mm換算で28mm相当の焦点距離で撮る場合、遅くても20秒までのシャッター速度で撮るようにしています。

マニュアル露出(F2.8 10秒) 露出補正:±0 感度:ISO3200 WB:蛍光灯 焦点距離:16mm カメラ:NEX-7(写真をクリックすると拡大します)

構図については、星空に加えて、地上の風景をいかに写し込むかがポイントになります。上の写真は、公園の展望スペースで撮影したもの。画面の下1/3に公園内の木々や階段を入れることで、空の広がりを強調しています。また下の写真では、画面中央にオリオン座を写しながら、その下に車のライトによって赤く染まった木を配置し、色のコントラストを際立たせています。

マニュアル露出(F2 5秒) 露出補正:±0 感度:ISO3200 WB:白熱電球 焦点距離:35mm カメラ:DSC-RX1(写真をクリックすると拡大します)

星をくっきりと撮るためには、雲がない晴れの日に街や住宅地を離れ、山間部など人工的な光ができるだけ少ない場所に行くのが理想です。当然ながら周辺が暗ければ暗いほど、より多くの星を見る(撮る)ことができます。

ただ、撮りたい場所が必ずしも真っ暗な場所とは限りません。星そのものではなく、星が見える風景全体を撮りたい場合は、できるだけ画面内に明るい光が入らないように注意しながら構図を決めるといいでしょう。

絞り優先AE(F4 10秒) 露出補正:±0 感度:ISO5000 WB:白熱電球 焦点距離:10mm カメラ:EOS 5D Mark II(写真をクリックすると拡大します)

マニュアル露出(F2.8 8秒) 露出補正:±0 感度:ISO3200 WB:白熱電球 焦点距離:20mm カメラ:EOS 5D Mark III(写真をクリックすると拡大します)

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