次に、長時間露光によって星を流して撮る方法を紹介しましょう。撮影モードは同じく「マニュアル露出」を選び、感度は「ISO100~400」程度に、絞りは「F5.6~11」程度に、シャッター速度は「バルブ」にセットします。バルブとは、シャッターボタンを押している間ずっとシャッターを開いたままにする機能です。レリーズまたはリモコンを使ってシャッターを固定することで、数分または数時間の長時間露光を与えることができます。

下の写真は、バルブを使って約1時間のシャッター速度で撮影したもの。星が白いスジになって写っています。さらに最後の写真は、約1時間30分のシャッター速度で撮影したもの。北極星をほぼ中心として円を描く、図鑑などでおなじみの写真となりました。

マニュアル露出(F10 3716秒) 露出補正:±0 感度:ISO160 WB:白熱電球 焦点距離:10mm カメラ:EOS 60D(写真をクリックすると拡大します)

マニュアル露出(F11 5396秒) 露出補正:±0 感度:ISO200 WB:白熱電球 焦点距離:12mm カメラ:EOS 60D(写真をクリックすると拡大します)

こうした星空の撮影は、天候によって左右されるので、狙い通りに撮るのは簡単ではありません。突き詰めると奥が深い撮影ジャンルといえます。一方で、実際にやってみると意外と簡単に感じることも確か。せっかくデジタル一眼を持っているなら、挑戦する価値のある被写体です。気軽に楽しんでみましょう。

「一歩上ゆくデジカメ活用術」バックナンバー
第1回 イルミネーションを利用してボケのある夜景写真を撮る
第2回 冬の逆光を生かして印象的なスナップショットを撮る
第3回 水族館の生き物たちを幻想的なイメージで撮る
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