本稿で語られる状況は、私、山田井ユウキが取材で訪れたとある町で目の当たりにした一部始終である。
前回、実写版LINEスタンプをつくったが、その撮影後、担当Oがリビングのソファで悩んでいた。やりきれない表情で、「困った」を連発している。よくよく耳を傾けてみれば、どうやら何かを「言うべきか、言わないべきか」で悩んでいるようだ。明らかに様子がおかしい――というよりも根本的なところでおかしい(主に見た目が)わけだが、それはさておき何をそんなに困っているのだろうか。
困った様子の担当Oが自転車に乗り、どこかへ向けて出発した。我々取材班は急いで彼の後を追った。
近所の公園の砂場で遊んでいる担当Oを発見した。――いや、違う。遊んでいるのではない。砂山を作っては壊し、作っては壊し、そうやって物思いにふけっているようだ。
と、そのとき、担当Oの手が止まり、目が輝いた。
「そ、そうだ!」