CES開幕前に先行公開された米Sonyの出展ブース内で、Ultrabook「VAIO T」シリーズの新モデルなどの未発表製品を見ることができた。Ultrabookでありながら15型クラスの大型液晶ディスプレイを備え、10点マルチタッチにも対応した「VAIO T15 Touch」や、同14型クラスの「VAIO T14 Touch」などだ。
既存のTシリーズのラインナップでは、14型の「VAIO T14」が最も大きなディスプレイを備えるモデルであった。15型クラスはVAIO T初の大画面サイズで、かつWindows 8のマルチタッチに対応したタッチパネルを採用している。また、VAIO T14もこれまでタッチパネルを搭載していなかった。
VAIO T15 Touchは、大画面ノートかつ、ディスプレイ部がただでさえ厚くなってしまうタッチパネル液晶を採用しながら、Ultrabookの規格内の薄さと軽さに収まっているのが特徴だ。画面サイズをのぞく本体デザインなどは現行モデルを踏襲しているが、キーボードにテンキーが追加されたことで、見た目の印象はやや変わっている。ほか、CPUにはIntel未発表の「Core i7-3537U」とされる低消費電力版を搭載していた。
「VAIO DUO 11」にも、マイナーチェンジ版の追加モデルが確認できた。既存モデルではブラック基調で統一されていた本体カラーが、キーボードベースの表面とサイドがシルバーに変更されたカラーバリエーションモデルとなっている。
このVAIO T15/T14 TouchとVAIO DUO 11の発売時期だが、ブーススタッフによると日本向けは不明としながらも、北米市場ではこの春の新モデルとして発売するとしていた。おそらく、日本でも春の新モデルにあわせて発売されるものと考えられるだろう。
「TRILUMINOS」採用をうたうVAIOノート用のコンセプト液晶
TRILUMINOSは、ソニーがBRAVIA液晶テレビの上位モデルで採用する独自のLEDバックライト技術で、RGB独立のLEDをバックライトに用いることで、色域を広げ色表現を向上させるというものだ。このTRILUMINOSの名を冠する「TRILUMINOS Display for Mobile」技術を採用するVAIOノートPC用液晶のコンセプトデモが公開されていた。
といっても、TRILUMINOSとfor Mobileは技術的には同じ仕組みではなく、for Mobileの方は、まずパネルを比較対象のTNから、より広色域のIPSに変更している。輝度は、LEDは通常のエッジライトであるが、集光バックライトで上手く輝度が出るようにチューニングしているという説明だった。ディスプレイ全体として一般的なものよりも色域と輝度を向上させているからTRILUMINOSと呼んでいるそうで、技術は異なるものだそうだ。
左が従来型の液晶ディスプレイで、右が「TRILUMINOS Display for Mobile」のもの。TNとIPSというパネル方式の違いも大きいが、消費電力を増やさずにこの発色と視野角を実現できるという |
上で紹介したようにLEDも特別なものではないため、ディスプレイの消費電力を増やさずに色域と輝度を向上できているそうで、バッテリ駆動が重要なモバイルノートでは利点になるとしている。コストは少し上がるそうだが、通常の高画質液晶よりは低コストで採用可能とのこと。コンセプト技術ではあるが、今年度中にはVAIOノートで実際に採用を進めて行きたいと考えているという。