2011年8月に発売された世界最小&最軽量ミラーレス一眼「PENTAX Q」の後継機として、「PENTAX Q10」が登場した。イメージセンサーは「Q」と同様、有効1,240万画素・1/2.3型と画素数・サイズが同じCMOSセンサーではあるものの、新開発のものとなり、裏面照射方式と相まって、高感度性能、解像感、階調表現、AF性能などの向上を実現している。「Q」と比較して、デザイン・画質・機能性・操作性がいかに進化したか。初代「Q」所持者でもあり、鉄道撮影を生業とする20代女子筆者目線で実写を交えながらレビューをお伝えしていこうと思う。


森由梨香
フェリス女学院大学音楽学部声楽学科卒業後、タレント兼鉄道カメラマンとして活動中。
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カラーリングはなんと100種類。ボディ20色、グリップ5色。そのうち3色シルバー、ブラック、レッドはレギュラーカラー、それ以外はペンタックスのWebサイトまたは、Q10取扱店でのオーダーが必要となる。

「Q」と比べてみると、基本的なデザインは変わらないものの、グリップ部分やボディ全体が丸みを帯びた形になっており、ボディもプラスチックが用いられているためか初代「Q」に比べるとカジュアルな印象を受ける。カメラ女子の心をしっかり掴んでくれるデザインだ。さらに、カラー展開によって男女問わずより幅広い層に受け入れられるのでないだろうか。合金製からプラスチックへの変化においてはレンズが小さいことと、本体自体が軽いため強く握る必要がないということもあり、違いを感じることはほぼない。

「PENTAX Q10」外観。初代Qの外観をほぼ受け継いでいるが、新形状のグリップを設けられホールド性が高まった

本体のみで180gの手のひらサイズ、以前よりデザインの中で一番進化したと思われるグリップの形状は、しっかりと手にホールドし、バランスが取りやすくなった。ロゴのフォントも変更されている。また、操作部のボタンは制約上小さくならざるを得ないが、立体的になっている上、十字ボタンがすり鉢状になっており使いやすい。操作性はより軽快に確実に良くなっていると感じた。

ボディ上面の撮影モードダイヤル前面のクイックダイヤル、本体サイズぎりぎりの背面液晶画面は「Q」とほぼ同じ。ポップアップする内蔵フラッシュの機構もそのまま継続されている。初代「Q」所有者には違和感なく使用できた。

小さなカバンにもこの通りすっぽり

上面(「02 STANDARD ZOOM」装着時)

バッテリーやメモリーカードは側面から出し入れできるので三脚を使用したままでも交換作業が可能。

バッテリー持ち時間も格段にアップ、初代「Q」は250枚も持たなかった覚えがあるのだが、「Q10」は300枚近く撮ってもまだ粘ってくれた。

「Q」を使用していた者として、高感度には少し弱い印象を受けていたのだか、今回の「Q10」は高感度性能の向上ということで実写で試してみたところ、明らかな違いが見受けられた。1/2.3型という小さなイメージセンサーでもここまで自然なノイズリダクションをしてくれるのかと感心するほどだ。特にカラーノイズに優れているようで、高感度でこれだけディティールが十分に残って入れば大満足。

初代のデザインの中で目を引いていた斜めにポップアップする内蔵フラッシュの機構もそのまま継続されている

新たな裏面照射型CMOSセンサーを採用し、解像感や階調表現を向上させた

液晶画面は視野角が広く見やすい。十字キー部の操作パネルがOKボタンが凹んだすり鉢状になり操作しやすくなった

バッテリーはボディ横から挿入