倍率、BCLKをボタン操作でリアルタイムに可変できるOC-Touchを搭載

オンボードのOC機能面でも、GA-Z77X-UP5 THを上回る充実ぶりを見せる。まずボタン類では、電源ボタンやリセットスイッチ、CMOSクリアボタンは当然として、GA-Z77X-UP7には±のCPU Retioボタン、±のBCLKボタンそしてBCLKボタンの動作を1MHz刻み/0.1MHz刻みで切り替えるOC Gearボタンが追加されている。

その挙動は当然、起動中でもボタン1発で設定をリアルタイムで変更できるというものだ。また、電源ボタンの横にはLN2スイッチが搭載されている。LN2、つまり液体窒素冷却によるOC向けの設定を適用するためのボタンで、同社のハイエンドグラフィックスカードなどで採用されているものと同種の機能と見られる。

OC-Touch:起動中、リアルタイムでCPU倍率とBCLKを設定可能。CPU-Zから設定が切り替わっていくことが確認できた。しかし同社のEasyTune 6はまだリアルタイムでの反映ができていない様子。クロックや倍率の確認はEasyTune 6を再起動する必要があった。この点、バージョンアップでの対応を望みたい。これらのボタンの下にはテスターを接続できる接点「Onboard Voltage Mesure Module」も搭載されている。最近のオーバークロック向けマザーボードのトレンドは網羅されている格好だ

もうひとつ特徴的なのは、DualBIOS用のスイッチだ。同社の製品としてDualBIOSは当然搭載しており、それをハードウェア的に切り替えるスイッチが搭載されているのに加え、その横にDualBIOSを明示的に無効化するスイッチが搭載されている。

DualBIOSを無効化するメリットとして挙げられているのが、オーバークロック失敗時に、BIOSリカバリ機能が働き、BIOSを切り替えて起動しようと試みるプロセスぶんの時間を短縮できるといった効果だ。

DualBIOSを切り替えるスイッチ。M/Bとある側は、メインとバックアップのBIOSを切り替えるもの。SBとある側はDualBIOSとシングルBIOSを切り替えるもの。DualBIOSの冗長性を保ったまま、使い勝手を向上させることができる

ほか、電源回路では、EPS12Vが2系統に、PCIe x16スロットへの電力供給を安定化するSATA形状の電源コネクタも搭載している。また、OCとは直接関係ないが、3倍バスパワーUSBやOn/Offチャージといった従来より同社製品が対応している機能を引き続き搭載している。

8ピンEPS12Vは2系統。ほか、PCie x16スロット用にも電源供給コネクタを備えている

無線LAN&BTカードをバンドル、各種のチップを搭載し従来モデルと同様の独自機能も継承

GA-Z77X-UP7は機能面でも充実を見せる。同社のハイエンドモデルでは一般的になってきたが、本製品も無線LAN&Bluetoothカードがバンドルされている。無線LANはIEEE802.11b/g/nに、Bluetoothは4.0に対応している。

USB 3.0ポートは最大10ポートがサポートされる。うち4ポートがIntel Z77 Expressチップセットによる機能で、もう4ポートはVIA VL800チップの機能、そして残る2ポートはEtron EJ168チップの機能となる。

デバイスマネージャーから見ると3種類のUSB 3.0ドライバが並び、壮観と言えば壮観。Intel Z77 ExpressのUSB 3.0はバックパネルに2、内部ヘッダピンから2ポート。VIA VL800のUSB 3.0は全てバックパネル、Etron EJ168のUSB 3.0は内部ヘッダピンという仕様だ。これに加えUSB 2.0が内部ヘッダピンが2セット、4ポート利用可能。

バックパネル側の4ポートのUSB 3.0にはVIA VL800チップが利用されている

一方、Intel Z77 Expressチップセットの横に実装されているEtron EJ168は、内部ヘッダピン用。Intel Z77 Expressからもヘッダピンに2ポートが割り当てられており、内部から合計4ポートが引き回せる

SATAポートは、Intel Z77 Expressによる6Gbps×2、3Gbps×4(うち1ポートはmSATAと排他)に加え、2つのMarvell 88SE9172チップにより4ポートが加えられている。レイアウトは全て基板のエッジにあり、計10ポートが1列に並んでいる。Intel Z77 Expressの6Gbpsが白、3Gbpsが黒、少し間が開いてMarvell 88SE9172の6Gbpsが灰色という具合にひと目で分かる。

左側から、灰色ポートはMarvell 88SE9172×2基からの4ポート(6Gbps)、黒いポートはIntel Z77からの4ポート(3Gbps)で、白はIntel Z77からの2ポート(6Gbps)。その横のSATA電源コネクタはPCIe x16スロットに給電するためのもの

バックパネル側の4ポートのUSB 3.0にはVIA VL800チップが利用されている

一方、Intel Z77 Expressチップセットの横に実装されているEtron EJ168は、内部ヘッダピン用。Intel Z77 Expressからもヘッダピンに2ポートが割り当てられており、内部から合計4ポートが引き回せる

LANチップは2つ。ひとつ目はIntel 82579Vで、ハイエンドマザーでよく採用される安定性に定評あるチップだ。もうひとつはAtheros AR8161。Atherosのサイトにはまだ情報が無いが、省電力性に優れるとも言われている。ほか、オーディオチップはRealtek ALC898が採用されている。

1系統目のLANチップはIntel 82579V、もう1系統はAtheros AR8161

オーディオチップはALC898。なお、ゲーマー向けのSniperシリーズでは追加チップやオーディオ用コンデンサなどが用いられているのに対し、オーバークロック向けのGA-Z77X-UP7では一般的な組み合わせが用いられている

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