カナダのResearch In Motion (RIM)は10月22日(現地時間)、米Strategy Analyticsの最新調査において、非BlackBerryとサードパーティ製MDMを組み合わせたエンタープライズ向けセキュリティシステムのコストが、BlackBerry Enterprise Solutionを用いたものに比べて39%ほど高くなる傾向があるとの結果が出たと発表した。同調査はBlackBerryの英国サイトにPDF形式で確認できる

最近はBYOD (Bring Your Own Device)を標語にユーザー自身の所有するさまざまなモバイルデバイスを直接企業ネットワークに接続して利用するケースが増えているが、こうしたデバイス群をMDM (Mobile Device Management)を用いて管理する場合、その組み合わせによっては総所有コスト(TCO)が高くつく傾向があるというのが本調査の要旨となる。セキュリティポリシーがIL2レベル(中間レベル)で運用している100のユーザーを対象に行った調査で、BlackBerry 7、Apple iOS 5、Symbian S60、Windows Phone 7 (WP7)、Androidのデバイスプラットフォームと、MDMを組み合わせて運用したケースを想定している。

プラットフォームごとの脅威レベルの差異(出典: Strategy Analytics)

まず趣旨の1つとして、プラットフォームごとにアクションに応じた脅威レベルに差異があり、RIMによればBlackBerryが最も安全な傾向があるとしている。実際の運用では、個々の脅威レベルの差異を吸収するためにMDMを介して、社内の限られたリソースへのアクセスを制御する「Walled Garden」と呼ばれるアプローチが採られるが、これは非BlackBerryデバイスとサードパーティ製MDMを組み合わせた場合とBlackBerry + BlackBerry Enterprise Serverの組み合わせの場合とで、システム展開初年で39%のTCOの差が生じるという。さらに運用が複数年にわたることでTCOの差は開いていくというのがStrategy Analyticsによる分析だ。セキュリティという観点では、いまだエンタープライズではBlackBerryを選択するメリットが高いとRIMは主張している。