Amazon.co.jpを運営するアマゾンジャパンが、同社の電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」とタブレット端末「Kindle Fire HD」「Kindle Fire」を日本国内で取り扱うと発表した。3製品ともに10月24日よりAmazon.co.jpで予約受付を開始し、Kindle Paperwhiteは11月19日より、Kindle Fire HDとKindle Fireは12月19日より販売を開始する。今回、米Amazon.com Kidleデバイス事業部 バイスプレジデントのデーブ・リンプ氏に日本向けKindleやKindleストアについて聞いてきたので紹介しよう。
今回、日本向けに投入する3製品の仕様は次の通りだ。Kindle Paperwhiteは、E-inkスクリーンを採用した電子書籍リーダーで、解像度212ppiの6インチディスプレイを搭載。従来モデルと比較し、画素数が62%、コントラストが25%鮮明になり、明るさは16階調(グレースケール)で設定可能となった。寸法・重量は169×117×9.1mm・213g。内蔵メモリは2GB(使用可能領域約1.25 GB)。
ラインナップは通常モデルと3Gモデル「Kindle Paperwhite Wi-Fi+3G」の2種類。価格は通常モデルが8,480円、3Gモデルが12,980円。ともに11月19日より出荷を開始する。なお3Gモデルは、回線料金をAmazonが負担する仕様になっているため料金不要で利用できる。接続する回線はNTTドコモの3G (国内のみ)となる。
Kindle Fire HDは、7インチ(1280×800ピクセル)HDディスプレイを搭載したAndroidベースタブレット。電子書籍だけでなく、Androidアプリや音楽・動画コンテンツを楽しむことが可能。インターネットに接続してWeb閲覧やEメールを利用することもできる。
端末本体の仕様としては、1.2GhzのデュアルコアプロセッサとImagination製PowerVR 3Dグラフィックスを搭載。このほか3.5mmステレオジャック、ドルビーオーディオ・ステレオスピーカーを備える。
寸法・重量は193×137×10.3mm・395g。バッテリは11時間以上連続使用(ビデオや音楽の視聴、読書などを利用した場合)に対応。また急速充電器「Kindle PowerFast」を利用することで、4時間で充電することができる。Wi-Fi機能としては、IEEE 802.11a/b/g/nをサポート。デュアルバンド、デュアルアンテナWi-Fi(MIMO)を採用する。
ラインナップは16GBモデル(使用可能領域約12.6GB)と32GBモデル(使用可能領域約26.9GB) の2種類で、内蔵メモリの容量が異なる。価格は16GBモデルが15,800円、32GBモデルが19,800円。
Kindle Fireは、Kindle Fire HDの前モデルとなる。同じくAndroid OSを搭載し、電子書籍のほか、アプリ、音楽・動画、Web閲覧などが可能。ディスプレイサイズは7インチ(1024×600ピクセル)で、 1.2GHzのデュアルコアプロセッサを搭載する。Wi-Fi接続は802.11a/b/g/nをサポート(シングルバンド)。
寸法・重量は189×120×11.5mm・400g。バッテリ駆動時間は約9時間(インターネットや音楽の視聴、読書など連続で使用したっ場合)。前述のKindle PowerFastを利用することで、約3時間で充電可能。ラインナップは1種類で、8GBモデル(使用可能領域約5.5GB)のみとなる。価格は12,800円。
リンプ氏はKindle Paperwhiteについては、「軽量かつ薄型の本体デザイン」「バッテリの駆動時間」などを特徴として挙げ、特に「暗い場所でも閲覧できる視認性の高いディスプレイ」をアピール。「日本語の文字を細かな部分までシャープに表示することができる」と説明した。
Kindle Fireについてもディスプレイの視認性をアピール。特にKindle Fire HDでは、照明の下でも見やすく、反射の少ないディスプレイを採用していると説明した。加えて、2.4GHzと5GHzのサポートや複数の送受信アンテナで通信品質を向上させる「MIMO(Multiple Input Multiple Output) 」への対応など、充実したWi-Fi機能も紹介。このほか、ドルビーオーディオ・ステレオスピーカーの搭載により、音楽・動画コンテンツを高音質で楽しめるとアピールした。
Kindle Paperwhite、Kindle Fireともに高い視認性をアピールするリンプ氏だが、漢字やひらがななど複雑な形状の日本語も、マンガなどのイラストがメインのコンテンツも美しい表示で楽しむことができると説明。「一番よいのは実際に見てもらうことだが、紙ベースの書籍とイコール、あるいはそれ以上の内容」でコンテンツを閲覧できると胸を張る。筆者も実際にマンガを表示しているところを確認したが、ふきだし内の台詞も問題なく視認でき、ページ送りもスムーズだった。
Kindle PaperwhiteではSony Readerやkobo、Kindle FireではiPad miniやNexus 7など多数の競合製品が登場している。リンプ氏は、これら競合製品と比較した際のKindleの優位性についても説明。「Kindleは単にハードだけを提供するのではなく、エンド・ツー・エンドのサービスを提供することができる点が特徴。アマゾンのデバイスだけでなく、iOSやAndroid他のデバイスなどでもアプリを通じてKindleサービスを利用することができる」と他の競合製品とは異なる哲学を持った製品・サービスであることをアピールした。また、顧客サービスが充実している点を強調。「Amazonのカスタマーサポートを通じて様々な支援することができる」と述べた。
なおAmazon.co.jpでは、Kindle Paperwhite、Kindle Fire HD、Kindle Fireの提供に伴い、日本向けの電子書籍ストア「Kindleストア」を10月25日にオープンする。同ストアでは、サービス開始時点で、書籍、文庫・ 漫画など5万タイトルを超える日本語コンテンツを用意。1万5000超のマンガ、1万タイトル超の無料書籍を提供するとしている。
リンプ氏はKindleストアについて、「今回、ストアの提供を開始することを大変楽しみにしている」と述べ、Amazon.co.jpが実際の書籍ですでに12年間にわたり日本の出版社と事業を展開しており、Kindleストアでも「ほとんどの主要な出版社がKindleのプラットフォームをサポートしている」と説明した。また、来月にはKindleストアでアプリを取り扱うことも明かした。
充実した機能を備えた端末と豊富なコンテンツを提供ストアが一体となった日本向けKindle。「手頃な値段」(リンプ氏)で端末を購入できる同サービスに今後も注目していきたい。
(記事提供: AndroWire編集部)