コンパクトデジタルカメラの「COOLPIX」シリーズでは、Android OS搭載の「COOLPIX S800c」が注目。プレスカンファレンスでニコンは、米国ではコンパクトデジカメユーザーの55%、欧州では26%が撮影画像をSNSにアップロードしており、レンズ交換式カメラユーザーでも米国は52%、欧州は30%がアップロードしていると指摘。また、ニコンは、スマートフォンで撮影する枚数が多いユーザーほど、デジカメでも撮影するという調査結果をまとめており、スマートフォンカメラの利用者が多くなるのは、むしろ「好機」と捉えているという。

欧米でカメラユーザがどの程度SNSにアップロードしているかの調査結果

こちらはスマートフォンで撮影するユーザーの毎月のデジカメ撮影枚数

SNSが急速に広がる中、ニコンはデジカメがSNSやWebに、よりアクセスしやすくなることが必要と考えた。また、スマートフォンがコンパクトデジカメの脅威になっているという意見に対しては、むしろスマートフォンで撮影を体験することが、ユーザーがコンパクトデジカメに興味を持つ好機であるという見解を披露。スマートフォンの利点であるコミニュケーション機能や接続性、アプリへの対応といった機能を追加して、さらにデジカメの高画質を訴えていく方針を示す。

COOLPIX S800cは画質面でも、ニコンのニッコールレンズと画像処理エンジンEXPEED C2を搭載するなど充実した内容。さらに、無線LANの搭載で接続性を確保し、OSにAndroidを採用することで、Google Playから豊富なアプリをダウンロードできるようにした。

「COOLPIX S800c」はサムスンのGALAXY Cameraとは異なり、手に収まるコンパクトサイズ

本体背面。基本操作は画面のタッチ

本体上部

Android OSのバージョンは2.3(Gingerbread)を採用。最新OSではないが、実機に触れた限りはカメラとしての動作は快適で、AFやズーミングなども速く、この辺りはニコンとしてしっかり作り込んできたという印象。「MENU」や「ホーム」「戻る」ボタンがあるあたりはGingerbreadという感じだが、シャッターとズーム以外のカメラの操作はすべてタッチパネルで行う。

標準のGoogleアプリに加え、Google Playから自由にアプリをダウンロードして利用できる。カメラアプリやSNSアプリも利用できるが、ゲームなどのカメラに関係ないアプリも利用可能だという

タッチパネルの反応にやや機敏さが足りない印象だが、マルチタッチもサポートし、大きなアイコンをタッチしたり、スライダーをスライドさせたりして設定を行い、シャッターボタンまたは画面タッチで撮影できる。

Google Play経由でSNSやカメラアプリをダウンロードし利用することもできる。例えばInstagramを起動し、S800cのカメラで撮影したあと、そのまま無線LAN経由で投稿する、といったことが可能だ。

ニコンでは、起動時間、ズーム、連写、高画質といった点で、スマートフォンユーザーにアピール。テザリングやポータブル無線LANルーターを使えば、スマートフォンと同様に画像を投稿できる点を強調していた。

そのほか、手のひらに収まる約96gの超コンパクトデジカメ「COOLPIX S01」、小型のレンズ交換式カメラ「Nikon 1 J2」などの新製品も展示し、来場者の注目を集めていた。

手のひらにすっぽり収まるCOOLPIX S01

操作はタッチパネルで行う

「Nikon 1 J2」

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