米San FranciscoのMoscone Westにて、今年もIDF(Intel Developer Forum) Sanfrranciscoが開催される(Photo01,02)。会期は現地時間の9月11日~9月13日。今年の目玉は次のメインストリームコアであるHaswellの詳細、そして6月のCOMPUTEX TAIPEI 2012や8月末からドイツで開催されたIFAにデモ展示された新しいClover TrailベースのTabletに関する情報というあたりになる。
基調講演は、初日がDavid Perlmutter氏による"Reinventing Computing - Collaborating to Shape the Future From Datacenter to Devices"ということで、こちらが主要な新製品に関しての情報、2日目はRenée James氏による"Security and Services in an Age of Transparent Computing"で、こちらはむしろソフトウェア側からの話となる。最終日はおなじみJustin Rattner氏による"Connecting to the Future"で、こちらはIntel Labsによる成果なども含めた今後のIntelの動向の話になると思われる。
具体的なセッション資料はまだ殆どがダウンロードできないで、実はこの原稿を書いている時点(米国時間で9月11日の午前2時)には既にいくつかの資料が「お漏らし」的に入手可能になっており、そこからちょっとだけ垣間見ることもできる。Technology Insightという「目玉となるテクノロジー紹介セッション」には、
- Intel Next Generation Microarchitecture Code Name Haswell
- Building Power Efficient Graphics Software
- Intel Atom Microarchitecture for Tablets and Smartphones
- Ultrabooks and the Transformation of the PC
- Delivering the Architectural Foundation for Big Data
- Developing Great Touch and Sensor Applications for Microsoft Windows 8 Desktop
- Silicon Technology Leadership for the Mobility Era
といった項目が並んでいる。このうち1つ目はそのままHaswellのアーキテクチャに関する初めての説明であるし、3番目のセッションでも少しだけClover Trailに触れる模様だ(Photo03,04)。5つ目は残念ながら先日発表になったXeon Phiに関する説明では無いようだが、Technical Sessionの方には、
- Optimize Your Code for the Latest Intel Xeon Processors and Intel Xeon Phi Coprocessor Using Intel Parallel Studio XE for Linux
- Beyond Offloading – Programming Models for the Intel Xeon Phi Coprocessor
- Programming Continuity Between Intel Xeon and Intel Xeon Phi Processors for High Performance
といったものが並んでおり、こちらでもう少し内部の詳細が見えてくるかもしれない。またTechnology Insightの最後のものは今後のIntelの半導体プロセスに関するものであり、こちらも聞き逃すことはできない。
Photo03,04: 少なくともClover TrailとClover Trail+の2つのプラットフォームがあり、Z2580がClover Trail+になるようだ。どちらもDual Core構成で、しかもZ2580はGPU性能も(Medfieldと比較しても)倍になるということらしい。ただ今のところ判るのはこの程度で、あとはセッションの中でどの程度「口頭で」言及されるかといったところ。 |
既に公開されたその他のプレゼンテーションを見ると、例えばSamsungはスポンサーセッションでDDR4の動向を紹介する模様だ。ただメモリ関係に関しては9月18日に開催されるMemcon 2012も取材予定なので、こちらとまとめてレポートをすることになるかもしれない。後ちょっと面白いと思ったのは、自作マーケット向けにThin Mini-ITXを推進してゆくという話(Photo06)。こちらもまた紹介できれば、と思う。
Photo05: Samsungのプレゼンテーションの中から1枚。2014年にマーケットが立ち上がる、というのが彼らによる予測である。 |
Photo06: これはDIY AIOというセッションのプレゼンテーションより。AIOとは"All In One"の略で、要するに液晶と一体化したようなPCを指す。当然基盤を薄型化しないといけないという話で、こうしたマーケットに力を入れてゆくとの話であった。 |
足元を見ると、今年第3四半期の業績は下方修正を余儀なくされる(インテル コーポレーション 2012年第3四半期の業績予測を下方修正)など決して順風満帆という訳ではないのだが、それでも業績そのものは他の半導体メーカーを圧倒するものであり、開発投資や設備投資の金額も莫大であり、その資本力を持って次々に新製品を投入してくる訳で、こうした動向のお披露目の場としてのIDFの重要性は衰えていない。そんなわけで、なるべく早くレポートをおとどけしたいと思っている。
ちなみに今回から遂にIntelもAndroid Applicationを投入した(Photo07,08)。これまでの紙ベースの小冊子も勿論提供されるのだが、そもそもこちらもスマートフォン持ち歩いてこれでスケジュール管理とかをしてるだけに、正直これがあるのはちょっと楽である。残念ながらPCベースでのアプリケーションは今のところ無いようだ。
更に余談であるが、会場となるMoscone WestはSan Franciscoの中心部に近い、Howard Streetと4th Streetの角に位置する。で、そこからほんの数百フィート、歩いても5分ほどの場所は、こんな感じでこちらも設営準備が進んでいる(Photo09)。筆者はこちらのレポートは行わないが、こちらに関しても別の筆者によるレポートがあると編集部から聞いているので、こちらもお楽しみ。