NTTドコモでは、LTE方式を採用した受信時最大75Mbps/送信時最大25Mbpsの高速データ通信サービス「Xi」を提供している。モバイルWi-Fiルーターなどのデータ通信端末のほか、Xiに対応したスマートフォンやタブレットも多数提供されている注目サービスだ。

ドコモの2012年夏モデルでは、スマートフォン16機種中、12機種がXi対応端末となるなど、ラインナップも充実してきている。Xiに対応するデータ通信端末としては、モバイルWi-Fiルーターのほか、USB型データカードやデータ通信カードが販売されており、用途に合わせて自由に選ぶことができる。本稿では、データ通信端末で使うXiを取り上げ、現在の利用エリアや料金プラン、キャンペーンなどをおさらいしよう。

Xiは2010年12月24日よりサービスをスタート。サービス開始イベントには、山田隆持前社長が出席した

受信時最大75Mbpsの高速データ通信サービス

Xiの特長は、何といっても受信時最大75Mbps/送信時最大25Mbpsという高速通信が利用できることだ。ただし、受信時最大75Mbps/送信時最大25Mbpsが利用できるのは東京国際空港(羽田空港)など一部の地域に限られる。これ以外の対応エリアでは、下り最大37.5Mbps/上り最大12.5Mbpsでの通信となる。

Xiの利用エリアは、2012年4月1日時点で全国政令指定都市の人口カバー率100%を実現しており、全国の人口カバー率は2012年度内に70%となる予定だ。なお、Xiの利用エリア外でもFOMAのエリア内であれば、受信時最大14Mbps、送信時最大5.7MbpsのFOMAハイスピードなどによる通信が可能となっている。

Xiのデータ通信向けの料金プランでは、定額制と2段階定額制という大きくわけて2つの種類がある。定額制の中でも2年契約のプランが「Xiデータプラン フラット にねん」で、月額利用料は5,985円。なお、「mopera U」などの対応プロバイダとの契約が別途必要になる。なお、現在は「Xiスタートキャンペーン」が実施されており、2012年9月末までは、「Xiデータプラン フラット にねん」を月額利用料4,935円で利用できる。

また、このキャンペーン終了と同時に、2012年10月1日から「Xiデータプラン ライト にねん」という料金プランがスタートする予定。こちらは、キャンペーンに関係なく月額利用料4,935円での利用が可能だ。

ただし、「Xiデータプラン フラット にねん」では、月間通信量の上限が7GBであるのに対し、「Xiデータプラン ライト にねん」の月間通信量の上限は3GBとなっている。月間通信量の上限を超えた場合、通信速度は送受信128kbpsに制限されるほか、元の速度で利用したいときには追加料金が必要となる。

このほか、2年契約で月額料金が2,500円~6,510円となる「Xiデータプラン2 にねん」などの2段階定額制のプランも用意されている。

Xi対応データ通信端末のラインナップ

続いて、Xiに対応するデータ通信端末のラインナップをおさらいしておこう。データ通信端末の中でも最近人気なのが、PCだけでなくスマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機などのWi-Fi対応機器からも利用できるモバイルWi-Fiルーターだ。記事執筆時点でのXi対応のモバイルWi-Fiルーターは「L-04D」(LG電子製)、「BF-01D」(バッファロー製)、「L-09C」(LG Electronics製)の3機種だ。

「L-04D」は2012年夏モデルとして発売された最新モデルで、約90×62×12.6mm・約89gの軽量コンパクトなボディが特長。連続通信時間は3Gで約5時間、LTEで約4時間となっている。最 大10台のWi-Fi通信機器を同時接続できる。

コンパクトで小型なXi対応モバイルWi-Fiルーター「L-04D」

「BF-01D」は、無線LANに加えて有線LANも使えるのが最大の特長。付属されるクレードルにLANポートを備えており、無線LANに対応していないPCやNASなどにも接続して利用できる。寸法・重量は約108×68×23mm、約193g。連続通信時間は3Gで約5.5時間、LTEで約4時間となっている。Wi-Fi通信機器の同時接続数は最 大12台。

有線LANでも接続できるXi対応モバイルWi-Fiルーター「BF-01D」

「L-09C」は、約122×64×15.9mm・約156gのボディに2,700mAhの大容量のバッテリーを搭載。Xiでは最大6時間、FOMAでは最大8時間の連続使用が可能。Wi-Fi通信機器の同時接続数は最 大10台。

最大8時間の連続Xi通信が可能な「L-09C」

モバイルWi-Fiルーターのほかにも、Xi対応のデータ通信端末としては、PCのUSBポートに挿すタイプのデータカードの「L-03D」や、従来のデータ通信カードと同じExpressCard型の「F-06C」などがラインナップされている。

USBデータカード型の「L-03D」

ExpressCard型の「F-06C」

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NTTドコモが提供する高速データ通信「Xi」は、受信時最大75Mbps/送信時最大25Mbpsという通信速度が最大の魅力。しかし、必ずしも全国で高速な通信を利用できるわけではない(同社では2012年度内に全国の人口カバー率70%を実現するとしている)。とはいえ、Xiエリア外でも全国人口カバー率100%のFOMAによる通信が可能なので、日本中どこでも利用することが可能だ。地方への出張が多い人など、とにかく通信環境が必要な人には最適だろう。

また、2012年10月からは、「Xiデータプラン ライト にねん」という低料金のプランも登場する。これまで月額利用料がXi導入のネックになっていた人は、同プランを検討してみてはいかがだろうか。

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