米Appleは6月11日(現地時間)、プロセッサを強化した新型「Mac Pro」を発表した。同日開催されているWWDCで新製品が大々的に発表されたMacBook Pro/Airシリーズとは異なり、ひっそりとアップデートが行われる形となったMac Proだが、前世代から2年近い空白期間を経て、性能面では現時点でMac製品最高スペックの水準へと引き上げられている。
Mac Proの基本コンフィグレーションは「クアッドコア」「12コア」「Server」の3種類が用意されている。「クアッドコア」はシングルプロセッサモデルで、デフォルトではクアッドコアXeon 3.2GHzだが、BTOで6コアXeon 3.33GHzへと拡張できる。「12コア」はデュアルプロセッサモデルで、デフォルトでは6コアXeon 2.40GHz×2 (12コア)となっているが、やはりBTOでプロセッサの駆動周波数を2.66GHzまたは3.06GHzへと拡張可能になっている。「Server」はハイブリッドモデルで、「クアッドコア」「12コア」で選択可能なプロセッサのコンフィグレーションをすべて選ぶことができる。違いは搭載OSの部分で、「クアッドコア」「12コア」がOS X "Lion"なのに対し、「Server」ではOS X Server "Lion"が搭載されており、価格比で他製品に比べて500ドルほど上乗せされている。
搭載メモリは「クアッドコア」がデフォルトで6GB、「12コア」が12GBとなっており、それぞれ最大で32GBまたは64GBへと拡張可能。デフォルトのメモリ搭載量は前世代のMid-2010モデルから倍増しているが、最大搭載容量に変化はない。ストレージは標準で1TB HDDを搭載しているほか、BTOで2TB HDDまたは512GB SSDを選択可能。さらに拡張ベイを使って最大4つのHDDまたはSSDを搭載できる。グラフィックスに関してははMid-2010から変化はなく、デフォルトで ATI Radeon HD 5770 1GB、BTOでATI Radeon HD 5870 1GBが選択可能。また新たにATI Radeon HD 5770 1GBのカードを2枚挿入できるオプションが追加されている。搭載光学ドライブは18倍速SuperDriveで、オプションでデュアルドライブへの変更も可能。
インターフェイスはビルトインAirPort Extremeが搭載されており、IEEE 802.11a/b/g/nに対応。Bluetooth 2.1 + EDRのほか、ギガビットイーサポートを2つ備える。このほか、4つのFireWire 800ポート(2つが前面パネル、残り2つが背面パネル)、5つのUSB 2.0ポート(2つが前面パネル、残り3つが背面パネル)を備える。ただしUSB 3.0とThunderboltはこの世代ではサポートされず、これはチップセットの関係だと思われる。DisplayPortについてはグラフィックスカード側から供給される。
価格は「クアッドコア」の基本構成が2499米ドル(21万8800円)、「12コア」が3799米ドル(32万8800円)、「Server」が2999米ドル(25万8800円)となっている。なお、「12コア」でプロセッサ/メモリ/グラフィックスを最大構成にした場合の価格は8399米ドル(73万600円)となっている。